SQUARE ENIX MUSIC BLOG Composers & Synhesizer Programmers

鈴木 光人 Mitsuto Suzuki

『ファイナルファンタジー VII リメイク』、『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』、『メビウス ファイナルファンタジー』、『スクールガールストライカーズ』などを担当。近年ではゲームのみならず、TVアニメ『スクールガールストライカーズ Animation Channel』の楽曲制作、音楽専門誌での機材レビュー執筆や舞台音楽の制作にも携わっており、多方面で才能を発揮している。

鈴木 光人

Archives

神戸電子専門学校 セミナー終了!

神戸電子専門学校でセミナーを行ってきました。

今年のテーマは
〜新しい技術とゲーム楽曲製作について〜

第一部 「ゲームサウンド制作で大切なこと」
第二部「新しい技術とゲーム楽曲制作」
第三部「成果物レビュー」

mitsuto_pict01_20251003.JPG
第一部 「ゲームサウンド制作で大切なこと」
白杉浩嗣(プロジェクトマネージャー)の講義

ゲームを一つの「総合芸術」として開発から発売後までのフローなど
ゲーム制作をする上での部門間の協業について、生徒さん達も興味深く耳を傾けていた様子

mitsuto_pict02_20251003.jpg
第二部「新しい技術とゲーム楽曲制作」 鈴木光人の講義

音楽制作におけるAI活用のポイント、制作補助ツールとしての使用法と
注意点やリスクなど今後の考察を交えてお話しました。

第三部「成果物レビュー」
学生さんのデモ音源レビュー。
曲は長くなくて良いので最後まで作り切る事が大切、そして聴いてもらう事が大事です。
まずは楽しんでチャレンジしよう!


長時間お疲れ様でした!
そしてお世話になった関係者の皆さま、ありがとうございました!

東京ゲームショウ2025開催!

さて今週は東京ゲームショウ。
なんでも過去最大規模との事で、メジャー・インディ問わず出展メーカーも多彩なようで、
本日と昨日開催のビジネスデーも盛り上がってるようです!

〜〜

独beyerdynamicブースでは国内初披露となるゲーミング・ヘッドセット2機種を含む
各製品が出展されており、試聴環境には『FINAL FANTASY VII REBIRTH(PC版)』が
用意されているとの事。
ゲームプレイ時の没入感ある立体音響を体感出来るそうなので、ご来場の方はぜひお試しください!https://www.minet.jp/contents/event/tokyo-game-show-2025/


さて来年は開催期間が5日間(ビジネスデイ2日、一般日3日)と拡大されるようで、
今年以上の盛り上がりが期待出来ますね!

本日の東京はまたまた暑くなりましたが、熱中対策を万全にお過ごし下さい!
それでは良い週末を!

神戸電子専門学校 セミナーのお知らせ

〜新しい技術とゲーム楽曲製作について〜
ゲーム制作は技術革新と切り離して語ることはできません。
現在のゲーム楽曲制作がどのような技術を使い行われているのか、
学生時代に行える作曲のノウハウなどをお話しします。

9月27日(土) 13:30~

また考察コーナーとして「ゲーム音楽のリアルと未来」と題し、
進化する5つのトレンド考察を基にゲーム音楽の可能性と未来に潜む懸念点やヒントなど、
「鈴木的視点」交え、ディスカッション出来ればと思います。
(学生さんには成果物レビューも行います)

※オープンキャンパス参加者の方も参加可能です。

■神戸電子 業界セミナー申し込み
https://www.kobedenshi.ac.jp/event/seminar/592/

『スクールガールストライカーズ メモリアル・サウンドトラック』 楽曲コメント

鈴木光人&とくさしけんごのお気に入り楽曲コメントをご紹介!
是非、サントラと合わせて読んでくださいね!

■フィフス・フォース~新星の灯火~
とくさしけんごさん作曲のスクスト2メインテーマ。
「生のオケヒット最高じゃん!」と可愛い電子音で構成された「こういう曲作りたかったのです」を具体的な形にしてくれたお気に入りの1曲。
チェコ収録のレコーディング風景と合わせてお楽しみ下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=By2RQoBMnqI

■双星の光
エピソードChiral(キラル)。ゲーム画面のボイスと合わせた時にとても達成感があった曲。今聴いてもスタッフロール含めとても暖かい気持ちに包まれ、同時にこみあげるものがあります。シナリオ&Lyricsの高橋渉さんと熱量高い作品作りが出来たのも良い思い出です。

IMG_3078.JPGのサムネイル画像

■暮れゆく夏色
夏シリーズはどれもお気に入りですが、最初に書いたこの曲を選びました。他の楽曲でもギターを沢山弾いてもらった関戸剛先輩との共作曲。季節イベントは毎年楽しみにしていたので、正直寂しい気持ちもありますが、今の季節にぴったりなこの楽曲と一緒に夏を満喫、そして愛聴してもらえると嬉しいです。まぁ夏だけとは言わず。


 
鈴木光人

 ーーーーーー

■フィフス・フォース〜五色の閃き〜
10年以上前、このテーマ曲の作曲からスタートしたので忘れがたいです。当時の制作ファイルを開いてみると、すっかり忘れていましたが(さっき忘れがたいと書いたのに)、記憶よりも拍子がずっと複雑でした()。流れのよい柔軟な拍子感覚で本作を彩りたいと思っていたことも思い出しました。

■オールデイ・エテルノ
鈴木光人さん作曲の、ザ・日常の音楽。ずっと聴けます。ぜひこの曲やテーマ曲のメロディが別の曲にも登場しているのを探してみてください。光人さんと共同で長く制作させていただくうちに、どちらが何をどう担当したのか記憶が混ざり合ってしまい、今回クレジットの確認会議が難航しました()

IMG_6562.jpg

Remember the today
なにしろ大切な場面の音楽なので、密かに熟考しました。これまでの日々に思いを馳せる節目なので、サビは日々の音楽「オールデイ・エテルノ」が大きく羽ばたいている様子に。そこに2つのテーマ曲のモチーフがピタリとはまったときに、モニターの前でひとり遠い目をしてしまいました。

とくさしけんご

 

『スクールガールストライカーズ メモリアル・サウンドトラック』

鈴木光人×とくさしけんご ライナーノーツ

11年分の『スクールガールストライカーズ』の音楽。こうして振り返ると、計算間違えて徹夜で書いた曲や、倉庫入りしたままの未発表曲まで、いろんなドラマがありました。音楽って、目立つときもあれば、ただ静かにシーンを支えるものまで様々です。でも、そのどちらも作品の「空気」を作る大事な役割でした。最初の頃はイメージだけを頼りに作った曲もありましたが、それが結果的に方向性の一部になったりして、不思議なものです。ここまで続けてこられたのは、隊長さんたちの応援と、制作スタッフとのチームワークのおかげ。そして共に音楽を担当したとくさしけんごさん。僕には出せない色を作品にもたらしてくれ、一気に幅を広げてくれ今振り返ってもいい刺激だったと思います。この11年間で得た経験と出会い、たくさんの音に囲まれた日々に、素直にありがとうと言いたいです。そして、これからもスクストの音楽があなたの記憶を優しく照らし続けますように。

鈴木光人

--------------

『スクールガールストライカーズ』に「スクール」とありますが、この作品の音楽制作は私にとっても学校でした。従来のように、ゲーム内の音楽をすべて一度に作って完成、ではなく、アップデートが続きながら、曲が書き足されていく形で11年。物語の様々な場面と音の関係、様々な音楽のスタイル、ずいぶん色々なことを経験させていただきました。また、鈴木光人さんのディレクションが、明確でありながらも自由に委ねていただけるニュアンスもある絶妙なバランスで、しかも長期間に渡って共作させていただきながらという、楽しい学校でした。国や地域も超えて、様々な奏者やエンジニアの方々の職人技の数々にも出会うことができました。大感謝です。そして何より、隊長さんのみなさま!こういった形の音楽は、なかなか直接みなさまにお会いする機会は少ないものですが、イベント会場などでみなさまにすれ違う際には、密かに感謝の念を送っておりました。そういえば、この作品は年間の季節感も私にもたらしてくれていました。そろそろクリスマス、そろそろお正月、など、制作のために数ヶ月前倒しではあるのですが()、季節ごとのアレンジをする時間が好きでした。どうぞ末永く、あるいは季節ごとに、あるいは数年ごとに、この11年の記憶や時代感を楽しんでいただけましたら幸いです。

とくさしけんご

mitsuto_pict01_20250905.jpg

次回は楽曲コメントをご紹介します!

1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11