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2016年08月03日
『NieR: Automata』プラチナゲームズ開発現場ご紹介#02
「NieR Blog」をご覧の皆さま、こんにちは。プラチナゲームズ・ゲームデザイナーの田浦です。先日『NieR: Automata』開発現場のご紹介をさせていただきましたが、ご好評につき、第2弾を公開したいと思います。それでは、下記よりどうぞ!
<ゲームデザイン>
弊社のゲームというと、ガチガチの濃密バトルを想像する方も多いと思いますが、今回はヨコオさんの希望もあり、かなり敵の密度は減らしています。その分、静かで美しい廃墟をゆっくり楽しむことが出来ると思います。いい意味で、普段のプラチナ作品とは趣の違うゲームになってきているのではないでしょうか。
また、本作にはヘンなネタも沢山盛り込んでいます。例えば、ある仕掛けにモスキート音を使ったり、オプションに意味のない項目を入れてみたり、など盛り沢山です。詳しくはまだ言えませんが、本当にいろいろ入れているので、早く皆さんに触っていただきたいです。
-プラチナゲームズ・ゲームデザイナー:根岸功
<プログラム>
プログラマーの作業は見えないものが多く、地味になりがちです。上の画像がそれを物語っていますね……。これは敵の関節情報や位置、現在の状態を表示するツールです。
プログラマーの作業は見えないものが多い=内部がどうなっているか見えないと作業できないことが多いため、画像のように一覧でステータスを見られるようなものを作ったりもします。
そんなプログラマーとしての仕事ですが、今作では、今までにプラチナゲームズでやったことのない様々なことにチャレンジしました。広大なオープンワールド、トップビューやサイドビューを織り交ぜた濃厚な戦闘、大量の弾幕、全てが「NieR」の世界をより面白くしてくれています。
また、「アクションゲームは苦手だし、プラチナゲームズのゲームって難しいんでしょ?」と思っている方!今作では、アクションゲームが得意でない方も楽しめるよう、工夫を凝らしておりますので、心配は無用です!あ、もちろんガチガチのアクションゲーマーの方も楽しんでいただけるのでご安心を!
前作からの「NieR」ファンの方々にも、プラチナゲームズ作品のファンの方々にも楽しんでいただける一本に仕上がっていると思いますので、是非とも楽しんでプレイしていただければと思います。
-プラチナゲームズ・プログラマー:大西亮
<キャラクターモデリング>
今作では、メインキャラクターの服装などから、ベルベットの質感を感じていただけると思います。特殊な布などは、物理シェーダではまだ実現しづらい部分ではあるのですが、苦労した甲斐もあり、うまく質感が出るようになりました。
3Dモデルでは、「らしさ」を追求するあまり質感を強調しがちになるのですが、そこは今作の雰囲気に合わせて絶妙にチューニングしています。
退廃した世界の中で、さりげない違いをふと感じてもらえたら嬉しいです。
-プラチナゲームズ・キャラクターモデリングアーティスト:松平仁
<VFX>
弾の表現は自分の中では最も調整に苦心した部分です。表現の方向性は前作をリスペクトしつつ、さらに要素が多く豪華なビジュアルになるように意識しました。
前作の弾はただの半透明物ではなく、固体としてそこに存在するような不思議なビジュアルによって高い視認性を保っていたので、今作でもそれを踏襲しています。
そして今作での大きな追加要素は、弾のひとつひとつが光源を持っていることです。弾の一定範囲内に入ったオブジェクトは明るく照らされるようになっていて、弾との距離感が把握しやすくなっています。
ユーザーの皆さまには伝わりにくい部分なのですが、こういった機能を持たせつつ弾を大量に表示するのは、ゲームの処理の面で難易度が高く、この機能を作ってくれたプログラマーさんには苦労をかけたなぁと思います……。
-プラチナゲームズ・VFXアーティスト:中島史音
<VFX>
今作では、画像のような何万個もの粒子が流体のようにうねりながら四散するエフェクトが随所に使われています。
この表現は、『ニーア オートマタ』の「静かだがリッチさを兼ね備える」というエフェクトコンセプトに非常にマッチしており、開発初期から実験を繰り返していました。
開発中盤ではなかなか処理が重く、実装に四苦八苦したのですが、開発終盤で大幅な処理の高速化に成功し、画面によりたくさん表示できるようになりました。超大量の粒子がうねる様は、見ていてとても気持ちがいいので、是非この粒子表現に注目して下さい!
VFXのアイデアで、より複雑な動きの制御も可能となり、面白い動きもたくさん用意できました。プレイの際は必見です!
-プラチナゲームズ・VFXアーティスト:蔦直樹
<エンバイロメントアート>
はじめまして!エンバイロメントアーティストの梶と申します!今回は、主にステージの地形作りを担当させていただいております!
今作では、いくつもの広いステージがシームレスに繋がっていて、自由に歩くことができます。その中でも特に広く、世界の中心に位置するのが、「廃墟都市」と呼ばれる、緑に浸食された都市になります。
この廃墟都市は、廃墟の上に登れたり、廃墟の中に入れたり、縦横無尽に複雑な地形を探索することができます。ジャンプやダッシュのアクションを駆使して、楽しく探索や戦闘をしてもらえるようにという思いで制作しています!
世界観や景観の部分では、「行ってみたくなる観光地感」というコンセプトをかかげています。このステージでいうと、「自然に浸食された廃墟都市」という誰でも行ってみたくなるような景観を目指しました。その中で、ニーアの世界観を壊さないよう、丁寧に空気感やライティングをヨコオさんと詰めていっています!
見て綺麗、歩いて楽しい、そんな背景を作っていますので、ご期待ください!
-プラチナゲームズ・エンバイロメントアーティスト:梶泰幸
<エンバイロメントアート>
背景のライティングを担当させていただいています。亀岡です。
今作では、空気感を出してシルエットを重視した絵作りを意識しています。色合いもシックにし全体的におしゃれな印象になるように頑張っています。画像の砂漠のステージは広大で特に空気感を感じることができる場所になっているので、プレイされる際は、ぜひそのあたりも見ていただけると嬉しいです。
-プラチナゲームズ・エンバイロメントアーティスト:亀岡昇平
<インプリメンテーション>
今回、私は音楽と環境音の実装のみの担当なのですが、注力出来る分、非常にこだわった実装を行うことが出来ています。今までに無いほど多くのエフェクト処理や、インタラクティブな制御をしています。こだわってはいますが、楽曲の良さがより引き出されるよう、自然に優しく扱うよう気をつけています。今は、日々どんどん仕上がってくる音楽の実装を進めています。こんなに実装作業を楽しみながら進められるのはなかなか無いことで、非常に嬉しく思います。
岡部さんは何度かお会いしたことがあるのですが、年代も近いこともあり意気投合しました。非常に優しそうな方で、とても良く食べる方という印象です。飲み会の前にご飯食べてくるとか(笑)
その時に少しうかがったのですが、シンプルながらも聴かせる作りをされているような事をおっしゃっていました。聴いていてすんなりと入ってくる音楽、また繰り返し聴いても心地良いのは、ボーカルの印象や歌詞の耳触りの良さから来るものだと感じました。
新しい「NieR」を一刻も早く皆さまの元へお届けしたい思いで一杯なのですが、もう少しお待ちくださいね!
-プラチナゲームズ・コンポーザー:上田雅美
プラチナゲームズ株式会社:公式サイトはこちら