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河盛 慶次 Keiji Kawamori

河盛です。どんな人物かはblogを覗いてもらえると解る仕組みになってます! プチ開発の裏側なんかも掲載出来ればなぁと考えてます。

河盛 慶次

シアトリズム!

2/16にシアトリズムファイナルファンタジーが発売されました!!
という事で今回は昔話でも。

ファイナルファンタジーX
「ザナルカンドにて」 ※ページ下で試聴できます。

について書いてみたいと思います。

プレイステーション2はDVD-ROMだったので、ファミコンと違い録音した音楽がそのまま鳴っていると
思われている方も多かったかと思いますが、実は内蔵音源という少ない容量に
音を詰め込む方式で音楽は鳴っています。
(マニアックな人向けに内蔵音源の解説は機会があればまた書いてみようかと)

植松さんからmidiデータを貰ってからプレイステーション2で音楽を鳴らす為に
僕の方で作業をするのですが、この曲では2つの大きなポイントがありました。

1、植松さんのアイディアで植松さんのmidiを譜面にし、
クリックを使わずピアニストさんに弾いてもらったものを演奏データとして録音し、
ゲーム用データに変換して鳴らしました。

サスティーンペダルの情報をどう扱うかという事や、
発音数の問題などもあったのですが、今日は細かい話しはおいておきます。

元々の楽曲の良さプラスアルファで生演奏が加わる事により、
何度聞いてもグッとくる感じになっているかと思います。


2、内蔵音源では音色を少ない容量に収めなければいけないので、
音質を大きく犠牲にしなければいけないのですが、
プレイステーション2になった事により音色に使える容量も増え、
ステレオ波形でピアノの音を鳴らす事ができました。

音楽がステレオで鳴るのなんて現在では当たり前の事ですが、
この頃の内蔵音源という方式では単発の楽器の音はモノラルが多く、
ステレオ波形が使えた事で曲に広がりと深さが加わりました。

この曲のピアノの音はなかなか上手くいかず、何度も音を変更し時間がかかり苦労したのをよく憶えてますが、
ゲーム画面とティーダの台詞、そしてこの曲が流れてきたのを最初に見た時は
感動して苦労なんて吹っ飛んだな~!
なんて懐かしく思いながら僕もシアトリズム ファイナルファンタジーで遊んでいます。

あ!でもクリックを使わなかったのでシアトリズム ファイナルファンタジーで
この曲のテンポデータを作成するのには苦労しました。
まさか12年後に苦労するとは思わなかった(笑)

ちょっと長くて複雑な話しになっちゃったかな。。。
以上、河盛でした。


シアトリズム ファイナルファンタジー公式ページ
http://www.square-enix.co.jp/t_ff/

ファイナルファンタジーXサントラページ
http://bit.ly/wf9XLU

ザナルカンドにて