Xbox LIVE アーケード用ソフト『DEATH BY CUBE』の最新情報をお届けするブログです。














ごきげんよう、中の人です。

今回もプランナー内堀さんのコラムをお届けします。前回の続きですので、前回を読んでない人は読んでからどうぞぉ!

 

 

 

あらためましてこんにちは。

レベルデザインを担当した内堀建吾です。

 

よく「健吾」と"健康"の健と間違われますが、"建築"の建です。

なぜなら父親が建築関係の仕事をしているからです、ピザ職人ではありません。

 

 

今回は、前回ご紹介したピザの作り方の続き…ではなく、実際にゲームで使用していたパラメータを公開して、DEATH BY CUBE のレベルデザインについて書きたいと思います。

 

 

まずはこれをご覧ください。

これは開発中の、とあるレベルのプレイログ(記録)になります。

 

uchibori_ss2_1.jpg
(クリックで拡大)

 

1秒毎にそのレベルで起っている状況を、リアルタイムでファイルに書き出したもので、このプレイログがあれば、プレイした人が1秒毎にそのレベルで何をしていたかがおおよそわかってしまいます。

 

「どのレベルを、何秒でクリアした、スコア○○○点でクリアした、○○のキャラを使用した」などはもちろんのこと、レベル開始60秒目で…。

 

 

60秒目のプレイヤーのヒットポイント

・画面上に表示されている敵の数

・画面上に表示されている敵の種類

・画面上に表示されている敵弾の数

60秒目のスコア

・レベルで掃討した敵の数

 

 

などが、ピンポイントの秒数毎に見て取れます。

 

 

 

プレイログは「その時、どのような状況だった」かが見てわかる資料でありましたが、この画像をご覧ください。

 

uchibori_ss2_2.jpg

(クリックで拡大)

 

先ほどのプレイログをグラフにしました。

グラフにすることで、レベル全体が時間軸に沿ってどのようにプレイされていたかが容易に理解できてしまいます!

 

 

 

すごいでしょ???

 

 

 

ここで大事なのは「見やすくなった」ではなく「レベル全体がどのように進行しているか」になります。

 

ご紹介しているグラフで、簡単に以下の情報に注目してください。

 

 

Hp

TotalEnemyCnt

Score

 

 

"Hp"はヒットポイントで、"0"になったら死んでしまいます。

このグラフの場合、53秒目あたりで1度死んでしまったのでしょう。

 

なぜなら、画面上に表示されている敵を示す"TotalEnemyCnt"27秒目あたりから突然増え始め、プレイヤーの"Hp"は倒しきれなかったのか減っていっています。

 

しかし、まだ1度しか死んでおらず残機数があったので復活します。

ですがまた、そこから"TotalEnemyCnt"のグラフが示すよう、敵が突然出現したタイミングで"Hp"は減らされていきますが、プレイヤーは終盤79秒目あたりで起こる敵の総攻撃を凌いで見事クリアしました!

 

"Score"が最後、右肩上がりで気持ちよく伸びていくのも見て取れます。

 

 

このようにグラフとしてプレイログを見ることで…。

 

「そのレベルにおいて」レベルデザインが適正か否かが判断できます。

 

今回のレベルは、途中死ぬという危機に見舞われながらも、最後は死んだ経験が活きたのか見事にクリアできました。つまりこのレベルデザインは成功ということでしょう!

 

 

 

 

上記文章で「そのレベルにおいて」と書いたのにお気づきでしょうか?

 

 

 

 

そうです!

あのグラフからは1つのレベルで起こっている情報しか読み取れないのです。

そこで全体が読み取れる資料がこれです。

 

uchibori_ss2_3.jpg

(クリックで拡大)

 

これは、DEATH BY CUBE 全体のレベルを管理するものです。

先ほどのグラフと同じように、今度は DEATH BY CUBE としての味付けが、最適化されるように調整をしていきます。

 

今回は海外コアユーザー向けということで、何度もトライ&エラーを繰り返し挫折を味わいながらも、頂上に立った達成感が忘れられず、再びプレイしてしまうような味付けになっています!

やはりピザと同様、DEATH BY CUBE も食べ過ぎ注意ですね。

 

 

以上が、2回にわたってお送りしたレベルデザイナー内堀建吾の、DEATH BY CUBE 料理法でした。

 

 

発売日は120日です。

できたてホヤホヤなので、美味しく味わって食べてください!!!


« ◆いよいよ明日発売です!!◆プランナーに聞く:レベルデザインの極意 »