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鈴木 光人 Mitsuto Suzuki

ソロ作品『IN MY OWN BACKYARD』(2007)、『NEUROVISION』(2009) をiTuneより発表。 2009年CEDEC登壇、2011年3月にはサンフランシスコで行われた世界最大のゲーム開発者向けカンファレンスGDCにおいて即興ライブを披露した。猫と酒と電子音楽をこよなく愛す。 座右の銘は「思い立ったら即行動」

鈴木 光人

鈴木週報 LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII Rec風景

LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII Rec風景(オーシャン・ウェイ・レコーディング編)

今週は、東京⇔ナッシュビルでリモートレコーディングを行ったのでその模様について。

リモートレコーディング。
ええっと、要はネット回線を使って遠隔で録音する方法で、
極論を言うとこの環境があれば、世界中のどのスタジオでも日本と繋ぎながら
遠隔レコーディングが可能となります。
そして今回は日本(スクエニ)とアメリカ(オーシャン・ウェイ・レコーディングスタジオ)を結んで行いました。

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パートナーはFFXIII-2でもお世話になった作・編曲家のとくさしけんご。
鋭いオーケストレーションを披露。他の曲ではピアノをお願いしたりも。

さて、便利そうなこのレコーディングにもメリット、デメリットは当然あります。
モニター音質はmp3クオリティですし、たまに回線にノイズも入ります。
(これは通信環境にも左右される)
レイテンシーも当然ありますが、一度録音を始めると大体録りっぱなしなので、
拍単位でパンチインでもしない限りまったく問題ありません。
あったとしても自分でオペレート、ロケートするわけではないので、
全部現場側に任せちゃうのでほぼ関係なし。
現状、技術的な細かい部分は僕らで対処できる事でもないので、まぁそういう物です。

一番のメリットは、海外や現場に出向くことなく欲しい音が得られる事。
これに尽きます。僕らは譜面を目で追いながら、耳で確認、次の指示を素早く行う。

そして思い当たるデメリットと言えば、現場の雰囲気、空気を体感しつつ指示できない事位かな。
とはいえこれは、コストやスケジュール等の様々な条件を天秤にかけた上での判断なので、
そもそも別問題だったりもします。

あ、デメリットもう一つあった。
今回のケースでは時差かな、、、でもこれもねぇ、承知の上だしなぁ(笑)

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ディスプレイ越しにアメリカのオーシャン・ウェイ・レコーディングスタジオの録音模様。

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こちらは日本。コーディネートのベイカーさんとニコラスさん(アリーバエンタテインメント
専門的な音楽用語も即座に通訳、ストレスゼロ。

今回、とても良いテイクが録れました。
その場の空気と演奏を取り込むとは言え、波形になった地点で僕にとってはサンプルにすぎません。
これは日本でも海外でも同じです。
その「音」をどう処理して活かすかで全てが変わるという事。
実はここからが僕の本番で、最も「魔法」のかかる瞬間だったりします。
リモートレコーディングはその内の手段の一つとして効果的であると言えますし、
「海外の音なの~、いいでしょ?」っていうのも宣伝文句的に単純にアリでしょう。
そこから得られるもの、効果が生まれるなら十分に価値がある事だと思います。

弊社では度々リモートレコーディングを行ってます、模様はこちら。

山崎ブログ STAR GALAXY WarnerBros.The Eastwood Studio 音楽収録風景
http://blog.jp.square-enix.com/music/cm_blog/2013/05/star_galaxywarnerbrosthe_eastwood_studio.html

岩崎ブログ ネット時代のレコーディング
http://blog.jp.square-enix.com/music/cm_blog/2013/02/post_247.html


いよいよラストです。

ではみなさん、良い週末を!

Mitsuto Suzuki