反動軽減: 小
最先端技術によって生み出された機械の腕・サイバーアームプロテーゼは、初期状態のままでも基本的な動作によって生じる負荷を劇的に軽減することが可能である。しかし、大型機械や軍用兵器などの使用時には反作用の影響を無視することはできない。
反動軽減: 中
サイバーアームの手首および肘関節部には、液体ポリマーによる反作用制御緩衝機能が組み込まれており、使用者の習熟次第で火器使用時の反動をさらに軽減できるようになる。
反動軽減: 大
反作用制御緩衝機能とバイオプラスチック製衝撃吸収コンプレッサーを適切に組み合わせて使用することができるようになれば、火器使用時の反動が劇的に軽減され、フルオート射撃中であっても安定した照準が可能となる。
リロード速度: 低
頭蓋チップ塔載型ソフトウェアとサイバーアームをリンクさせることで、三角筋から浅指屈筋を経て手掌腱膜に至るまでの生体的・機械的オーグメンテーションの連動性が高まり、視覚情報と身体動作の協調性の向上、および反応速度の上昇がもたらされる。
リロード速度: 中
網膜プロテーゼの神経イメージングプロセッサーは、高帯域のローカルデータストリーミングによって、視覚情報と身体動作の協調に際して発生するソフトウェアエラーの発生率をほぼ0%に抑えている。使用者がオーグメンテーションの使用に慣れてくれば、武器のリロード速度はさらに向上する。ほんのわずかな時間の短縮であっても、戦場においては生死を分かつ重要な要素である。
リロード速度: 高
サイバーアームプロテーゼへの順応が進むほど、視覚情報と身体動作の協調性を高めるための神経経路がより多く形成され、リロード速度の大幅な向上がもたらされる。
エイム・スタビライザー: スタンダード
エイム・スタビライザーは初期状態のままでも基本的な視覚連動照準機能は発揮できるが、照準時に若干のぶれが生じてしまう。命中率の向上のためには、さらなるアップグレードと使用者の習熟が必要である。
エイム・スタビライザー: マークスマン
エイム・スタビライザーによってもたらされる最も直接的な恩恵は、光学インターフェース上に表示される着弾予想範囲の縮小である。オーグメンテーションの機能によって不安的な動きが抑制され、安定性が高まることで、移動しながらの射撃でも高い命中率が期待できるようになる。
エイム・スタビライザー: シャープシューター
エイム・スタビライザー由来の信号と使用者の神経の親和性が高まることで、激しい運動中でもほぼ完璧に照準の精度を維持することが可能となる。
ウォールブレイカー
サイバーアームの緩衝機構・疑似骨格・タイミング制御ソフトウェアに微細な調整を施し、薄い壁や損傷している壁に強打を加えて破壊することを可能とする。
インスタント・テイクダウン
クローズドループ型の電気刺激システムによって1016チャンネルのレコーディングデータをオンボードプロセッサーに転送し、サイバーアームの動作を補完する。これにより敏捷性と近接格闘能力が向上し、至近距離で単体の目標を瞬時に処理することができるようになる。
筋組織最適化
パルス電場を放出して骨髄細胞集団を修復・活性化させ、一時的に腕力を強化することで、大型の重量物を持ち上げたり投擲したりすることができるようになる。
所持可能量: 70KG
サイバーアーム内の電気活性ポリマーが発生させる熱を利用して、ポリマーのサーマルアクチュエーターを作動させ、装着者の可搬重量を増加させる。
所持可能量: 90KG
人工筋肉の急速な収縮によって生じる空気圧をアームの気圧アクチュエーターへと導くことで、装着者の可搬重量をさらに増加させる。
所持可能量: 110KG
人工筋肉の組織中に拡散しているイオンをイオン電気活性ポリマーの駆動力として利用することで、より柔軟な運動性と高い腕力を実現する。
インプラント・リブリーザー
インプラント・リブリーザーは、人体の胸腔内に埋め込まれて呼吸困難時などに自動的に起動するシステムである。様々な呼吸系オーグメンテーションによるアップグレードを施すことで、空気中の有毒物質や病原体、呼吸停止や窒息などの危機的状況から身を守ることができる。
化学物耐性
インプラント・リブリーザーは、空気中の有毒物質や病原体による被害を防ぐために、セカンドメンブレンと組み合わせて使用されることが多い。
サリフシリーズ8エネルギーコンバーター
サリフ製シリーズ8エネルギーコンバーターは、脂肪、グルコース、アドレナリンなどの栄養素を電荷に変換し、オーグメンテーション用の動力源であるパワーバイオセルに蓄電する機能を持つ。さらにシリーズ8には、様々な方法でエネルギー消費を制御するためのサブコンポーネント類も付属している。
リチャージレート: 低
シリーズ8のエレクトロケミカル・カタリストは、人体(および摂取された食物)が持っているエネルギーを、オーグメンテーションの動力源であるバイオセルエネルギーへと変換する働きを担っている。そしてエレクトロケミカル・カタリストが持つもうひとつの機能は、エネルギーの変換率の制御である。しかし、特に健康上の問題が生じておらず、バイオセルの正常動作も確認できているのであれば、変換率をさらに高い数値に設定することも可能である。
リチャージレート: 中
エネルギー変換処理による身体への悪影響が生じていないことが確認されれば、エレクトロケミカル・カタリストによる変換率を12%から50%へと上昇させることが可能となる。
リチャージレート: 高
50%の変換率でも身体への悪影響が見られないようであれば、エレクトロケミカル・カタリストの限界である85%までエネルギー変換率を上昇させることも可能である。この数値は、現代の電気自動車に搭載されているオルタネーターのものにほぼ匹敵する。
標準容量バイオセル
シリーズ8には、リチウム硫黄グラフェン式バイオセルが標準セットとして搭載されている。このバイオセルは600ワット時/kgの電力供給が可能であり、電解質やカソードアレイの劣化の心配もなく、半永久的に充電と再使用を繰り返すことができる。
大容量バイオセル
体内への電気の浸出が安全な範囲内に留まっていることが確認できれば、シリーズ8に搭載されたより高性能なバイオセルの有効化が可能となる。この大容量バイオセルは、ニッケルおよび錫ニッケル合金によって電気鍍金を施したガラス繊維発泡体を使用することで表面積を最大化し、電力容量の向上を図ったものである。
超大容量バイオセル
シリーズ8に搭載された最も高性能なバイオセルである活性マトリックス・マグネシウム塩セルは、少量の電力を消費するだけでマイクロセルラー電解液を継続的に再生産することが可能な最先端の電力ストレージメディアであり、その電力供給量は実に1000ワット時/kgに達する。
リチャージ遅延設定: セーフモード
バイオセルのエネルギーが消費されると、エネルギー・リチャージ・キャパシターによってチャージモードの起動が行われる。そのため、システムにフィードバックによる影響が生じなくなるまでは、チャージモードへの切り替えには意図的な遅延時間が設けられる。
リチャージ遅延設定: モデレイトモード
PEDOT回路からのフィードバック電流が無検出かそれに近い状態になれば、リチャージ・キャパシターの設定を変更し、チャージ開始までの遅延時間を初期状態と最短状態の中間程度まで短縮することが可能となる。
リチャージ遅延設定: クイックモード
セーフ設定とモデレート設定の両方でフィードバック電流が生じないことが確認できれば、リチャージ・キャパシターをクイック設定に切り替えることが可能となる。ただしこの設定であっても、電解マトリックスの再分極化とバーンアウトの防止のため、バイオセルのカソードアレイから短時間だけ放電を行う必要がある関係上、ごくわずかな遅延が生じることは避けられない。
センチネルRXヘルスシステム
センチネルRXヘルスシステムは、全身に分散した無数のユニットによって構成される、大規模かつ極めて精密なオーグメンテーションである。内的・外的要因による身体の損傷が確認されると、健康監視ユニットの指示によってセカンダリモジュールが起動する。人体の治癒反応を活性化させる機能を持っている。
心臓除細動器: 民間用モード
センチネルRXヘルスシステムには、停止した心臓を蘇生させるためのインプラント型心臓除細動器が標準搭載されている。これは他の電子インプラントに干渉しないよう特殊な調整を施されており、使用者の洞房結節内部に直接埋め込む形で装着される。(心臓が完全にサイバー化されている場合は、このインプラント自体が洞房結節の役割を果たす)
心臓除細動器: 医療用モード
使用者の細胞組織が電気刺激に慣れてくれば、心臓除細動器はより強い刺激によって回復速度を大幅に速めることができるようになる。65ミリボルトの定流刺激で新たな細胞の生産を促し、さらにそれらの細胞によるコラーゲン、アクチン、コルチゾールなどの治癒成分の生産も加速させることが可能となるのである。
心臓除細動器: 軍用モード
使用者の体細胞組織が心臓除細動器による電気刺激に完全に順応すれば、細胞を損傷させずに電圧を75ミリボルトまで上昇させることが可能となる。
血管新生療法
センチネルインプラント・パッケージには血管新生医療システムも搭載されており、全身の血管の形成を促進して、ダメージに対する抵抗力を高めるとともに負傷による悪影響を軽減することができる。
合成成長因子
血管新生医療システムが生産する成長因子は、初期状態では人体が本来持っている血管新生能力を直接補助するもののみに限られている。このアップグレードは、遺伝子操作によって作り出された様々な成長因子(S-FGF、S-VEGF、S-アンジオポイエチンなど)も同時に生産することで、全身の血管の形成をさらに促進するものである。
無抑制血管形成
合成成長因子への肉体の順応度が十分に高まると、血管新生医療システムは抑制因子の生産を停止し、血管組織の形成の制御を肉体自身に任せるようになる。やがて使用者の全身には毛細血管が極限まで広がり、重傷を負っても失血死せず、臓器の機能が停止する恐れもない体が完成する。これも決して不死ではないが、しかし現在のテクノロジーで実現可能な範囲では、不死に最も近い状態であると言えるだろう。
回復遅延設定: デフォルトモード
複数のオーグメンテーションを持つ人間の体は、その周辺に低電圧の電場を発生させることになる。これは心臓血管に様々な健康上の問題を引き起こす要因となりうるものであり、その上にセンチネルRXヘルスシステムのサブオーグメンテーションを使用すると、危険性はさらに高まってしまう。そこで利用されるのが、洞房結節内に直接インプラントされるRXヘルス・ペースキーパーである。
回復遅延設定: センチネルモード
オーグメンテーションによって生じる生理的ストレスに心臓血管システムが順応してくれば、RXヘルス・ペースキーパーをセンチネルモードに設定して、負傷してから回復が始まるまでの時間差をさらに小さくすることができるようになる。
回復遅延設定: エリートモード
心臓血管の順応度が高まり、ストレスやストレスホルモンによる負の影響がほぼ無視できるようになると、RXヘルス・ペースキーパーのエリートモードが解除され、負傷の発生からオーグメンテーションによる回復が始まるまでの遅延時間を大幅に短縮することが可能となる。