イカルス・ダッシュ(試験用)
イカルス・ダッシュは、使用者後方の空間に電磁パルス波を発生させ、使用者の背面全体に均等な圧力を加えることで、短距離の高速水平移動を可能とするオーグメンテーションである。地上のみならず、空中でも使用することができる。
後背部推進キット
後背部推進キットを導入すれば、脊椎の重心付近にイカルス・ダッシュシステムをインストールすることが可能となる。これによりダッシュ中の姿勢制御能力が向上し、ダッシュ後にバランスを崩す可能性が低下する。
チャージ・ダッシュ
チャージ・ダッシュの発動時には推進能力の正確な把握が可能となり、到達できるカバーポイントや登攀用の手がかりの位置が拡張現実技術によって視界に表示されるようになる。チャージ・ダッシュによる突進の威力は強力であり、敵に体当たりすれば衝撃で失神させることもできる。
グラスシールド・クローク
グラスシールド・クロークシステムは、精密に調整された球形の電磁場を周囲に発生させて光の屈折をコントロールし、使用者の姿を短時間だけ不可視にすることができる。使用者に向かってきた光を電磁場によって誘導し、3%未満の摂動率で元の方向へと反射するのである。この不可視状態は、近接戦闘を行うとただちに解除される。また、グラスシールドの起動中はレーザーセキュリティ・システムを検知されずに通過することもできる。
ディスクリート・パワープロセシング
グラスシールド・クロークシステムは、ミリ秒単位での電磁パターン処理を行うための動力を、使用者の脳に埋め込まれたバイオセルエネルギープロセッサーから引き出している。初期状態においてはクロークを維持できる時間はごく短いが、これは電磁場発生装置の最適化によって改善が可能である。
クロークエネルギー効率改善
電磁場の形成と制御を行うプログラムコードを最適化し、グラスシールドの電力消費量を軽減する。
クロークエネルギー効率最適化
電磁場形成コードの最適化をさらに進めることで、不可視状態を維持するためには球体電磁場内のどの位置で光を曲げればよいのかを、3次元座標で正確に特定することが可能となる。
クローク・テイクダウン
通常、クローク中に近接戦闘を行うと不可視効果は無効となる。このアップグレードは、使用者の神経系に介入して全身のシナプスから常時信号を発信することで、身体位置の正確な把握を可能とする。これにより、たとえ他の人間が電磁場内に侵入しても不可視状態を維持できるようになるのである。
ライノスキンアーマー
鈍器・刃物・銃弾などによるダメージを軽減する、次世代型インプラント・ボディアーマー。電磁パルス(EMP)に対しても防御効果を発揮する。有毒ガスや放射線、落下によるダメージなどには効果がない。
ダメージ軽減: 小
ライノスキンアーマーの位相複合構造は、戦闘時に予想される様々な負荷に対して優れた物理防御力を発揮し、ダメージを軽減することができる。
ダメージ軽減: 中
カーボンナノチューブとダイラタント流体が運動エネルギーに対してどのような相互作用を発揮するかを適切に予測できるようになれば、ライノスキンアーマーの防御効果は大幅に向上し、攻撃によって受けるダメージはさらに小さくなる。
ダメージ軽減: 大
ライノスキンアーマーの位相複合構造の特性を完全に把握すれば、アーマーの防御効果を極限まで高め、被るダメージを最小限に抑えることができる。
電磁パルスシールド
アーマーマトリックス内部の電磁気伝導素子によって電磁性ダメージを放散させ、電磁パルス(EMP)兵器などによる神経系のオーバーロードやオーグメンテーションの機能停止を防ぐ。
タイタン(試験用)
タイタンスキン・オーグメンテーションは、ナノメッシュ加工された希土類磁石によって構成されるネオジム・スキン・アンダーレイ・マトリックスを、バイオセルシステムを動力源として起動させるものである。機能の有効・無効の切り替えは、いつでも瞬時に行うことができる。起動すると、全身の皮膚に配された極小のノズルからアンプルの二相磁気粘性流体が放出される。同時にネオジム・アンダーレイが電流を発生させ、放出された流体を固化させることで、使用者の全身は強固な鉄殻で包まれ、あらゆる物理的ダメージから保護される。
皮下組織エネルギーMOD
タイタンスキン・オーグメンテーションを使用するためには、皮下配電網の大幅な調整が必要とされる。この調整によって、個々のインプラントが流動的にエネルギーシステムを利用できるようになり、持続的な電力供給が可能となるのである。
ファセットコスト削減
流体中にコロイドとして存在する鉄発泡体に含まれるプリズムのサイズを縮小することで、鉄殻の維持に必要な単位時間当たりのエネルギーを減少させることができる。これによって生じた余剰分のエネルギーは、二相磁気粘性流体の磁性反応性を向上させ、固化状態をより短時間で形成し、より長時間維持できるようにするために利用される。
ファセットコスト最適化
タイタンのエネルギー消費量を減少させるため、ネオジム・アンダーレイに組み込まれた位相キャパシターを有効化する。位相キャパシターは、使用者の周囲に発生している電磁場からエネルギーを吸収して蓄電を行う機能を持つ。
サイバーレッグプロテーゼ
サイバーレッグプロテーゼは、人間の脚をはるかに上回る性能を有するメカニカルレッグである。電場によってカーボンナノチューブを活性化させて筋肉のかわりとするこの機械の脚は、優れた脚力と持久力を備えつつ、生身の脚と同様の柔軟な動きを行うことができる。
クリップスプリンガー・ジャンプMOD
クリップスプリンガー・ジャンプMODは、カーボンナノチューブの筋節密度を高め、膝関節および腰部の衝撃吸収ジェルマトリックスを有効化することで、助走なしで最高3mの跳躍を可能とする。
レッグ・サイレンサー
サイバーレッグプロテーゼは、決して静かなオーグメンテーションとは言えない。動力源であるサーボモーターや、膝・踵・股関節といった可動部分が発生させる音はかなりの大きさとなる。歩行中や走行中に生じるこれらの機械音を、ハードウェアの静音化、磁性流体ジェルによる関節部のカバー、物理配線の改良といった手段を通じて実現するアドオン機能は、レッグ・サイレンサーと呼ばれる。