ハッキング: ステルス
情報戦攪乱(IWO)オーグメンテーションは、コンピューターネットワークの侵入検知サブルーチンを妨害し、ハッキング攻撃を検知されることを防ぐ機能を持っている。
ルートキットVer. 1.0: コードレベル
IWOモジュールの基本動作モードでインストールされるのは、ルートキットVer. 1.0: コードレベルである。このルートキットは、セキュリティサブルーチンの脆弱性を即座に見つけ出してハッキングの検出を防ぐことができるのに加えて、システムのユーザーレジストリを改竄してハッカーに管理者権限を付与する機能を持っている。
ルートキットVer. 2.0: リジェネレーティブ
このモードでは、ハッカーの侵入を警告する信号を1000倍に増幅して無効化することが可能となる。ほとんどのシステムは、極度に増幅された信号を誤警報とみなし、自動的に消去してしまうのである。ただし高度なシステムの中には、これがルートキットによる工作であることを判別できるものも存在する。そういったシステムを欺瞞するためには、より強力なモードが必要である。
ルートキットVer. 3.0: ポリモルフィック
他のルートキットが有効に機能しない場合であっても、IWOには最後の手段が残されている。使用者の神経組織の情報処理経路にリジェネレーティブモードが完全に統合されていれば、ハッカーの存在を示す信号にポリモルフィックコードを混入させることができるのである。ポリモルフィックコードを仕込まれた信号には常時セルフスクランブルがかかり、これによってネットワーク側に信号が検知される確率は大幅に低下する。しかしここまでの攪乱機能を総動員しても、ノード占拠時にセキュリティアラートを作動させてしまう可能性をゼロにすることはできない。高度なハッキングを行う上では、別種のアンチセキュリティソフトウェアとの併用が強く推奨される。
インフォリンク
インフォリンク通信パッケージは、外部装置を使用せずに通信を行うことを可能とするシステムである。骨伝導と歯伝導を利用して音を内耳に伝える機能を持ち、Eye-Know網膜プロテーゼと組み合わせれば、受信した視覚情報を網膜に直接投影することもできる。
内耳インプラント
内耳インプラントによって受信した音声を直接内耳に伝達できるようになるため、ヘッドホンやイヤーピースの装着が不要となる。
サブボーカリゼーション
インフォリンクパッケージに標準搭載されている声帯マイクロプローブによって、人間が聞き取ることができない周波数での音声送信が可能になる。
ステルス・アバター
ステルス・アバターは敵に発見されると自動的に起動し、追跡者の行動と目の動きをモニターすることで、相手がこちらを見失っているかどうかを判断する。
レティナル・イメージャー
敵から身を隠すことに成功すると、こちらがどこに潜んでいると敵が考えているかをソフトウェアが自動的に予測し、その位置情報をデジタルシルエットとしてEye-Know網膜HUDに表示する。慎重にその場から逃れるにせよ、有利な位置に回り込むにせよ、大いに役立つ手がかりとなるだろう。
LiDARマークトラッカー
LiDARマークトラッカーは、Eye-Know網膜プロテーゼと連動して敵の位置の把握・追跡を行うシステムである。内蔵されたLiDARレーザースキャナーと電磁場インタープリターを活用することで、より高度な機能も使用可能となる。
マークアンテナ: ベースグレード
LiDARマークトラッカーは、初期状態では最大10体の敵の位置を同時に追跡することが可能である。追跡可能な人数は、LiDARアンテナのシグナルゲインをアップグレードすれば増やすことができる。
マークアンテナ: ミドルグレード
LiDARアンテナをアップグレードすることで信号の受信強度が高まり、より多くの目標を同時に追跡できるようになる。
マークアンテナ: ハイグレード
LiDARアンテナをさらにアップグレードすることで信号の受信強度が大幅に高まり、非常に多くの目標を同時に追跡できるようになる。
スマートビジョン
スマートビジョンは、Eye-Know網膜プロテーゼと組み合わせることで、変調搬送波によって体温・心拍・呼吸・電気活動などの信号を検知し、ウェイファインダー・レーダーとの連動によって信号の発信源の姿を正確に計算することができる。
透視イメージャー
スマートビジョンから発信される変調搬送波は、短距離であれば低密度の物体や障害物を貫通して、隠れている人間や電子機器の存在を確認することができる。
標準トランスミッターチューニング
スマートビジョンのトランスミッターは他のオーグメンテーションが発生させる電磁場などの影響を受けやすいため、信号雑音比の改善のために専用の電源を必要とする。そこで変調器に適切なチューニングを施し、電磁場によるノイズをキャンセルできるようになれば、エネルギー消費量の軽減を図ることができる。
高精度トランスミッターチューニング
スマートビジョンの変調器をほぼ完璧にチューニングすることで、エネルギー消費量を大幅に軽減する。
マグパイ
マグパイはスマートビジョンの追加機能であり、膨大な種類の物体の形状、ISO/IEC識別番号、マトリックスコード、製造者特定情報などを認識できるようにプログラムされている。これにより、スマートビジョンの有効範囲内をスキャンして有用な物品を探し出すことができるのである。