岩崎です。
広げた風呂敷は閉じなければなりませんね。
前回から少し経ってしまいましたが、僕的FF9の思い出(2)行ってみましょう。
(1)の内容を忘れてしまった方は併せて前回の記事もどうぞ。
左側の僕の写真をクリックして頂けると僕の記事だけが表示されるようです。
ホノルルに着いた次の日、マラソン参加の申込みをしに指定されたホテルに向かいました。
それから、着の身着のまま日本を出発してしまった僕は、マラソン用のシューズを買いに行きました。
マラソンに備えての練習もしなければなりません。
植松さんに聞いてみます。
岩「みんな練習してるんですか?」
植「おー。当然だろ。オレら毎朝出社前にばっちり走り込んでんだぞ!」
岩「まじっすか?(半分以上疑いながらw)」
どこまでが本当かわかりませんが、みんな忙しい筈なのでたいした練習は出来ていないはず。
肉離れや、筋肉痛にならない程度のウォーミングアップはしておこうと思い、体操やジョギングをして当日に備えました。
いよいよマラソン当日が訪れました。
人生初の42.195kmです。
一緒に走るメンツは、植松夫妻、効果音の菅原さん、伊勢君、シンセオペレーターの河盛さん、そして僕の6人です。
普段パソコンの前に座って音楽を作っている僕らには、どれだけ大変なのか想像もつきません。
ただ不思議と、まぁなんとかなるだろー?と思っていた記憶があります。
バーン!とスタート音がなって一斉にみんな走り出すのかと思いきや、
前が詰まって全く動けない状態がしばらく続き、徐々に歩き出せるようになる、、そんな感じのスタートでした。
「まぁぼちぼちと行きますか」
そんな声が師匠からかかり、6人揃ってしばらくはゆるいジョギングになりました。
内心ほっとしたような、拍子抜けしたような、、そんな気持ちでした。
42.195kmこのペースかなと思っていると、前方にお相撲さん並のナイスバディーな集団があらわれました。
さすがはアメリカですね。
その時、
植「あの、集団より俺達が遅いっていうのは、さすがにプライドが許さないよな?」
植「よしみんなで抜くぞ!」
号令がかかり、全員で一時的にダーッと加速してナイスバディーな集団を抜き去ります。
が、その後はまたすぐ元のペースにもどります。
その後もナイスバディー族が前方に現れるたびに、
「よし抜くぞ」
と号礼がかかり抜くという。。。
その日は曇りで時折、小雨がパラつくような天気でした。今思えばマラソンをする人間にとってはありがたい天候だったと思います。
中間地点を過ぎた辺りで効果音の菅原さんが段々しんどそうになって来ました。
なんとかしばらくは頑張っていたのですが徐々にペースが落ち、25km地点辺りでとうとうリタイアすることになりました。
沿道でマラソンを応援してくれる人たちのWhat's up!! という声援が響きます。
残ったメンツでゆるい冗談を言い合いながら走り続けてきましたが、流石にスタートして6時間も7時間も経つと、冗談を言う余裕もなくなってきます。
体温もかなり上がります。
段々みんなの口数が少なくなってきました。
40km辺りで疲れがピークに達した頃、
師匠が切り出します。
植「おい!伊勢、なんか面白いこと言えよ!」
いつもは冗談をいいながら笑う伊勢君が、一杯一杯でそんな余裕はありません。
そこで河盛さんが追い打ちをかけるように
「そうだよ。伊勢君。なんか面白いことやんなよ」
温厚な伊勢君がこの時ばかりは年上の河盛さんにキレました。
「そんなこと言って、河盛さん。なんか面白いことやれんのかよぉー!」
なぜか僕はこのシーンが一字一句残らず脳裏に焼き付いているようです。
(伊勢君とはその後一緒にFFCC,FFCCクリスタルベアラーを制作しましたが一度もキレたのを見た事はありません)
ゴール手前でそんなハプニングがありつつ、なんとか我々は完走出来ました。
走り終えてみれば以外とあっさり??
完走時間は8時間半くらいだったと記憶しています。
ゴール後はカピオラニパークでみんなで休憩です。
すぐ座ると痔になるぞ!と誰かが言うので、我慢して歩き続けた記憶があります。
(ほんとこういうくだらないセリフって覚えてるものです)
疲れが治まって来たころに、大きな木の下に集まって記念写真を撮りました。
(後方左から植松夫妻、菅原さん、僕、手前左から河盛さん、伊勢君)
一見無謀と思えるような事も、まぁなんとかなるさと思えば、なんとかなる。
そんな体験でした。
帰国後しばらくして、植松さんから一通のメール。
植「今度帰国した時にレコーディングするので、岩崎んところにおかせておいて下さい。」
そのメールにはFF9主題歌のMelodies of Life のMIDIと歌詞が添付されていました。
そうそう思い出しました。
FF9のサントラの1曲目に入っている「いつか帰るところ」
リコーダーのあの曲。なんとも味のあるいい曲ですよね。
あのリコーダーの音色はFF9用にサンプリングしたものなのですが、後日河盛さんに頼んでネタをもらったんです。
んで、ちゃっかりFF11で僕がシンセオペレートする時に植松さんの曲
「ロンフォール」で使わせてもらいました。
ここだけの秘密です
さてさて、その後僕はFF9の効果音のホーリー&ファイナルミックスを行った、サンフランシスコのスカイウォーカースタジオにも行っているのですが、これを書くと更に長くなりそうなので、
この話はまた別の機会に。。。