2025 年末雑記
今年最後の更新になります。
今週は仕事仲間と会ったりと、とても年末らしい一週間でした。
そして本日は、滑り込み案件をビシッと形にでき、
取りこぼしのない清々しい最終日を迎えられそうで、一安心しています。

ユーザーの皆様、関係者の方々、
本年も大変お世話になりました。
引き続きスクウェア・エニックス サウンドディビジョンを
どうぞよろしくお願いいたします。
2026年が、皆様にとって幸せな一年になりますように。
【特記事項】
■ サウンド&レコーディング・マガジン
「プロが愛用する "リスニング用"ヘッドホン&イヤホンとは?」
普段使いしている機種について、アンケートに回答させていただきました。
ご興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
https://www.snrec.jp/entry/special/listening_headphone_earphone2
Acid Machines
gizm0xさんのx0x-heart MODs Eurorack Module
303クローンが届いたので、軽く仮止めして通電。
......したはいいものの、音が素晴らしすぎて完全に時間が溶けている。

取り急ぎシーケンサー2台を使い、リアルタイムで
パターンとパラメータをコントロールできる構成に組んだところ、
気付けば1時間以上同じループを回していた。
https://blog.jp.square-enix.com/music/cm_blog/20251219.mp3
ここまでレンジが広く、音の良い303クローンは初めて。
特にMODスイッチの Bass Boost と Res Boost が非常に音楽的で、
いわゆる「303らしさ」を保ったまま表現力が一段階上がる印象。
かなり快適なシステムではあるものの、
もう少しコンパクトにしたいのでゲートシーケンサーは要検討かな。
しかし構成1音ってファミコンより少ないじゃないか、モノ最高!
ABSYNTH6 復活! - 時代を先取りしすぎたシンセ
Native Instruments Komplete 14 以降ディスコンとなっていた ABSYNTH が、
ABSYNTH 6 として復活した。
最初に触ったのは ABSYNTH 3(2004年)。
特徴的な緑色の GUI と、複雑な多段エンベロープが強烈な第一印象だった。
当時はまだグラニュラーを搭載したソフトシンセ自体が少なく、かなり異質な存在。
時間軸がイカれたシンセパッドや独創的なサウンドは、他では代用できないほど尖っていた。
一方で、その尖りすぎた個性ゆえに、汎用性や制作スピードを求められる現場では、
結果的に僕の環境ではスタメン入りしなかったのも事実で、沼すぎた苦い記憶がある。
自由度の高さと引き換えに、面倒さが勝ってしまったのだ。

(図1)復活をとげたABSYNTH 6 。特徴的なブラウザ Preset Explorer 。拡大縮小などトラックパットとの相性良し。
さて、新しくなった ABSYNTH 6 を触ってみると、
かつての尖ったイメージが、良い意味で柔らかくなった印象を受けた。
新たに刷新された未来的なブラウザ Preset Explorer は豊富なプリセットを
カテゴリーと視覚の両面から欲しい音色を素早く見つけることができ、瞬時にプレビューできるのがありがたい。
なにより、決してイージーとは言えなかった操作性も、GUI が変わるだけでずいぶんシンプルに
感じるのが面白い。「こんなに簡単だったっけ?」と、自分の"適当加減"が露呈して可笑しくなる。
プリセットを生成する 「Mutator」機能 が追加されたのも、いかにも今風なアップデートと言えるだろう。
減算、FM、ウェーブテーブル、グラニュラーと、てんこ盛りの音源方式。
チャンネルオシレーターは 3 つ。ルーティングを目的に合わせてパッチングできる
自由度の高い構成になっている。
一見複雑そうに見えるが、チャンネル間のエンベロープのコピペや、トータルフィルターの設定、
ADSR など、音作りに必要なポイントを見極めれば、意外とシンプルなシンセとも言える。
ただし、チャンネル間のコピペにショートカットが使えるとさらに快適なので、
このあたりは今後のアップデートに期待したいところだ。

(図2)Ch1〜3 でピッチを変えたコードトーンを作成例。オシレーターとしてサンプルも使用可。
例えばイニシャライズから波形を選び、3 つのオシレーターのピッチを設定し、
ピッチエンベロープで複数の時間変化のカーブを描き、パンニングで幅を作り、
フィルターで整え、エフェクトで空間を歪める。
こうして一連の流れをイメージすると、考え方自体は古典的なシンセと何ら変わらず、
あとは目的と使い方次第だ。
相変わらずエンペロープ活用など自由度は高く音作りは奥深い。
しかし今は、その深さに辿り着くまでの距離が短くなった。
結果として「面倒なシンセ」から「腰を据えて向き合えるシンセ」へと変化した印象だ。
サンプルを読み込めたり、エフェクターにもなるシンセが当たり前になった今、
ようやく時代が ABSYNTH に追いついた。
ABSYNTH 6 は、そんな再評価に値する存在だと言えるだろう。