SQUARE ENIX MUSIC BLOG Composers & Synhesizer Programmers

開発環境

空き時間をみて、開発環境の再構築をしています。
大きなシステムの入れ替えというのは頻繁には出来ないのですが、
(これはスタッフによって違いますが)
新規ソフトの購入やバージョンアップ等、
出来る時にまとめてという感じで。

新規ソフトはそれなりに慣れるまでに時間がかかりますが、
その分、新たな気持ちで作業に入れるメリットもあります。
今は早く曲を作りたくてたまらない寸止め状態。

mitsuto_pict01_140725.jpg               cubaseのヴァージョンも増えていくわけで。。

そそ、
機材やソフトのリサーチをしてる時は、完全に中高生の気分。
って、昔はソフトじゃなくてハードなんですけどね。笑
心躍る気持ちは一緒です。

はー、待ち遠しい。

ではみなさん、良い週末を!

Mitsuto Suzuki

「“THE DEATH MARCH”のPVを皆さんから募集するプロモーションムービーコンテストの開催が決定! 詳細は来週発表!」
We are hosting "THE DEATH MARCH's" music video contest! More information will be announced next week! 

http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/tdm/

 


画像白.jpg

ファイナルファンタジーエクスプローラーズのファミ通.comさん、電撃オンラインさん、4gamerさんでの4週連続「FFEX音楽ネタ」が始まりました。こちらにも同じ内容をアップしていますので、どうぞお楽しみください!!


【第3回】

FFEXノーマルバトル1楽曲の全貌があきらかに!?』

 
いやぁ~暑いっすね~(大滝汗)
その昔、「台風一過」のことを「台風一家」だと勘違いしていて、運動会の時などに元気よく応援しているご家族を「台風一家キター!!」と思っていたのは内緒です。

いよいよ梅雨も明け夏本番!うちのワンコも普段はデロンデロンにへばっておりますが、ひとたびボールを見ると暴走機関車みたいに別人格になり我が家には犬が
2匹いたのか?と思う今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

Sekito_Nero_200_S.jpg
★夏バテ気味のワンコ



というわけで暑い夏でも元気に音楽制作、関戸です。
今回は「ファイナルファンタジーエクスプローラーズ」(以下、FFEX)のノーマルバトル1楽曲についてです。前回お話したフィールドからバトルへの移行、はたまたその逆の進行に明確なコントラストを付けるためいろいろな工夫をしています。

まずイントロらしいイントロもなく2小節をおいてすぐにメロディーに入りますがこの間約2秒。「フィールドから瞬時にバトルシーンへ!」と言うアクション性の高い
RPGのスピーディーな展開にはピッタリです。汎用性のあるバトル楽曲なのでテンポ的にもそれほど速くなく、基本的にプレイヤーを応援するようなイメージですので良質なメロディーをたくさんちりばめています。「良質」と自分で言うところがポイントです、うわはは。

おっと得意のギターアンサンブルもガッツリ入っており、バトル楽曲らしい臨場感のある仕上がりになっていますね。楽曲の尺を少し長めにしているのは(ボスバトルは専用のものがありますが)ノーマルバトル楽曲はゲームを通して2楽曲なので、バトルが少々長引いてもより新鮮な雰囲気で楽しめるように考えました。ですから、序盤に最後まで聴くことはあまりないかもしれませんよ?(涙)そんな時は、ポーションをたっぷり抱えて敵の攻撃に耐えながら聴いてみてください、イ~ッヒッヒッ。

また
FFEXではいつもよく使うデジタルモデリングのギター用プラグインソフトは使わずに、小さな真空管ギターアンプをスピーカーで鳴らしてマイクで収録する方法を用いてみました。前者をデジタル、後者をアナログとするとどちらにもそれぞれの良さはあるのですが、今回はたくさんのトラックが鳴っていても埋もれにくいアナログならでの存在感を優先してみました。


Sekito_Guitar_AMP_IP.jpg
★今回、大活躍のギターアンプ



また
FFEXでは楽曲のKeyに合わせて6弦、7弦の2本のギターを使い分けています。6弦ギターは最低音がE音まで、7弦ギターはさらにその下のB音までが出る状態になっています。ノーマルバトル1楽曲では6弦ギターでは出せない低い音が必要になる部分がありましたので、7弦ギターでのレコーディングとなっています。特に低い音はデジタルモデルングだと楽曲の中で埋もれてしまいやすいため、今回のアンプでのアナログレコーディングは大正解だったかと思います。


Sekito_Guitar1&2_IP.jpg
★左側が6弦のギター、右側が7弦のギター


どうですか?カッコイイでしょ~ ^^



むむむ、これらの
工夫効果のほどは…こちらで確認してみましょう!

 

 


そしてなんとこちらのFFEX公式Webページではさらに長いバージョンが試聴可能になりました!急げ~っ!!


さて次週は…

『ついにこの日が…FFEXボスバトル楽曲大公開!?』

お楽しみに!!

祇園祭

7月と言えば祇園祭。
東京に住んで随分経ちますが、
京都生まれの僕にとってはやっぱり、

「いいなー」と思ってしまう季節。

なんでも今年の祇園祭は前祭と後祭、
宵山行事と巡行が2回行われる日程だとか。
やー、これは珍しい。
今年は仕事で帰れないのが残念なのですけども。

そそ、
以前帰った時に、祭囃子をiPhoneで録音したので、
いつかサンプルエディットして使おうと目論んでいます。
多分、誰も分からないだろうけど。
いや、分かるとマズいんだけども。笑

ではみなさん、良い週末を!

Mitsuto Suzuki

ファイナルファンタジーエクスプローラーズのファミ通.comさん、電撃オンラインさん、4gamerさんでの4週連続「FFEX音楽ネタ」が始まりました。こちらにも同じ内容をアップしていますので、どうぞお楽しみください!!

【第2回】
 『え?まさか…FFEXフィールド、ダンジョン1楽曲大公開!?』 

こんにちは関戸です。 ゲームの音楽制作と言うと非常に派手なイメージがあるかもしれませんが、実は地味な作業の連続です。開発初期の段階ではテキストベースでの資料やキーになるヴィジュアルが数点あるのみ、これらからイメージを膨らませる工夫も必要でこの時期はほとんどが「妄想タイム」で、音楽を作る「作/編曲タイム」はこの後になります。

今回の「ファイナルファンタジーエクスプローラーズ」(以下、FFEX)はアクションRPGゲームと言うことでしたので、ゲームのテンポ感をなんとなくイメージしながら、まずはフィールド(ダンジョン)、ノーマルバトル、ボスバトル、ホームタウンの4曲のデモを用意しました。これくらいあれば音楽で演出できる世界観と言いますか、ゲームに持たせたい音楽の方向性が出てくると思います。

ゲームに実装(ゲーム機で音楽が鳴るようにすること)が可能になった時点で、ゲームをプレイしながらデモ楽曲とゲームとのフィッティングをみます。方向性が違っていると感じれば作り直しますし、部分的に足りないと思ったものを加えたり、余分だと感じれば取り去ったりもします。一定の方向性に対して良いものは残し、不要なものは取り去る…。この段階で短時間に多くの試行錯誤を行います。悩ましい部分でもありますが、大変楽しい至福の時でもあります。

チームから出る意見は自分より客観的なものになるので全部聞きます。が、全部採用するわけではありません、うわはは。 今回ご紹介するのは「静」と「動」をクッキリと際立たせた「フィールド、ダンジョン1楽曲」と「ノーマルバトル1楽曲」についてです。

「フィールド、ダンジョン1楽曲」の制作過程 
<妄想タイム> 
洞窟は…湿度が高い、じめじめ、なにかが出てきそうな感じ、なんかくさい、壁はヌルヌル、滑りやすい、スベルとつらい、勇者はつらい、でもかっこイイ、先に進まないと、先に進まナイト、夜は暗い、小さな希望がほしい、足元にカエル、踏みそうになる、踏むと大変なことになる・・・などなど

<作/編曲タイム>
目指すは『ダークで陰湿な雰囲気の中にも小さな希望が持てる感じ』
・同時に鳴る楽器数は少なく!!
・弦楽器は中、低音域を中心に狭い音域で
・木管楽器と金管楽器はアクセント程度に
・リズム楽器は低音域のものだけをほんの少し部分的に
となります。

ちなみに対比させる「ノーマルバトル1楽曲」の制作過程は
<妄想タイム>
バトルは…ドカンと始まってグイグイ、熱い予感、武器で攻撃、共闘する、ポーションほしい、敵を倒す、敵って誰?、自分の中に?、深く考えない、スカッと戦う、勇者は戦う、戦って勝利する、守りも重要、爽快感、疾走感・・・などなど

<作/編曲タイム>
目指すは『勇者にエールを送り軽快で熱く盛り上がり勝利を獲得する感じ』
・開始後すぐに熱いテーマメロディーへ移行!!
・弦楽器は低、中、高音域の広い音域を派手に
・木管楽器、金管楽器は低、中、高音域の広い音域に
・エレキベース、エレキギターでグイグイ
・リズム楽器にドラムセットを常時使用

また「フィールド、ダンジョン1楽曲」と「ノーマルバトル1楽曲」のセッションデータを同一の画面に表示してみました。

Exp3_Dungeon_Battle_Session_IP.jpg

<左側>フィールド、ダンジョン1楽曲 <右側>ノーマルバトル1楽曲

 「セッションて何?」と思われている方も多いと思うので簡単にご紹介したいと思います。こちらの画像でもなかなか伝わりにくいと思うのですが、楽曲の中をのぞいていると思ってみてください。オーケストラが楽曲を演奏するために楽譜を使っているのと同じように僕らコンポーザーにも楽譜があります。

 カラフルな棒がたくさん見えると思いますが、この棒の中にはたくさんの音符が詰まっています。楽器や演奏方法の種類分この棒があります。このように1つの楽器だけではなくて、たくさんの楽器を組み合わせて1つの楽曲が誕生するわけなのです。 見た目にも棒の数が全然違いますね!これくらいの差があると、どちらが先に鳴っていても楽曲が切り替わった時に大きなインパクトが生まれます。

 それでは「フィールド、ダンジョン1楽曲」を聴いてみましょう!

 

そしてなんとこちらのFFEX公式Webページではさらに長いバージョンが試聴可能になりました!急げ~っ!!


さて次週は… 
『FFEXノーマルバトル1楽曲の全貌があきらかに!?』 

 お楽しみに!!