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水田 直志 Naoshi Mizuta

好きなもの: たい焼き(近頃は、皮が薄いのとかいろいろありますが、普通のが好きです)、 コーヒー(淹れるのも含めていいですね)、 iPhone(すかっりはまってしまいました) 写真撮影(オリンパスのe-510を使用中、raw現像もまた楽し) お散歩(遠出からご近所まで)

水田 直志

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こんばんは、水田です。

今回は僕が音楽を担当しています、「ファイナルファンタジー レジェンズ 光と闇の戦士」のお話をしたいと思います。

このゲームは、携帯電話のアプリなのですが、毎月毎月新しいシナリオが配信され、

プレーヤーはそれをクリアするごとに新たなジョブが使えるようになるというシステムのRPGです。

シナリオは、約1年にわたって追加され、主人公たちの物語と成長を長ーく楽しめるというわけです。

 

さて音楽なのですが、ケータイのアプリということで、メモリー容量はとても少なく、

使える楽器もあらかじめ決められた基本的なものしか使用できないという、二重の制限のある中での曲作りです。

いつもでしたら、まるで本物の楽器のような音色を出すことができる大容量の音色ライブラリーや、

いろいろなシンセのたぐいを駆使して曲をつくるのですが、

今回は、最終的に鳴らすのはケータイ電話の内蔵音源です。

どんなに豪華なデモを作っても、とてもケータイの音源では再現できません。

ですので、今回は潔くシンセ1台、ローランドのJV-2080のみで作ることにしました。

使える楽器も決められていて、最新のプラグイン音源も使えません。

こう聞くと、不自由でつまらないように聞こえるかもしれませんが、それがさにあらず。

ゲーム音楽屋さんは、このように「ぎちぎちに」しばられた環境を与えられると逆に、

「よし、その制約の中で最高のものをめざしてみよう!」とばかり張り切るものなのです。

まあ、タチのよい逆切れとでもいいましょうか^^

 

ちなみに、こういう環境で作る曲はゴージャスな音色や派手なエフェクトで飾ることができません。

なので、シンプルでメロディーがしっかりした曲になります。

こういう曲は、芯が強いので、あとからいろいろなアレンジをしても崩れることがありません。


初期のファイナルファンタジー等のゲームの音楽が、いまなおいろいろな形でアレンジされ続けているのもこういうわけなのですね。(最近も More SQ とか いろいろ出てますね)


そんなこんなで作った音楽は、おなじみプロデューサーの時田さんにチェックしてもらいます。

今回は、シナリオが1年かけて配信されることから、まだ物語がはっきりときまってない段階で、

使われるシーンを想像で作った曲も結構あります。

たとえばこれ...

(一番下の"荒くれ者のテーマ1"をお聴きください)

これなどは、資料は「海賊やドワーフなど荒くれ者のテーマ」という一文のみでしたので、

2パターン作って、時田さんの考える場面に合いそうなものを選んでいただくことにしました。

もう一つのバージョンはこれ、

("荒くれ者のテーマ2"をお聴きください)

この両方を聴いてもらって、判断を待ちます。

さて、時田さんのコメントは...ドキドキ...


「1のほうは、ちょっと勇壮すぎる気がします。」とのことで、

荒くれ者のテーマは、2のほうに決定!

ここまできたらもう少し。

あとは、曲のデータをケータイの音源用に変換する必要があります。

これまた専門的な細かい作業なのですが、この部分は今回外注さんがお手伝いしてくれますので、

僕のほうは変換されてきたものをきいて、リクエストを出すことになります。

こうして、何度かやり取りをして納得いく形になったら、めでたく1曲出来上がりです。


さて、「ファイナルファンタジー レジェンズ 光と闇の戦士」ですが、

7月に入り、いよいよ物語もクライマックスにさしかかってきました。

まだ遊んでないという方は、最初の章は無料で遊べますので、

ぜひチェックしてみてください。

ファイナルファンタジー レジェンズ 公式サイト

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ご質問、ご意見、記事のリクエストなどありましたら、

左の顔写真のTwitterのリンクボタンからお気軽にどうぞ。

 

荒くれ者のテーマ1

荒くれ者のテーマ2

どうもこんにちは、水田です。

IMG_1972.jpg

さて、写真の電子ピアノ、これまた何のへんてつもないピアノなのですが、

実はこのピアノ、ある方が使われていたものをもらった、お下がりのピアノなのです。


まだ会社が目黒にあったころ、僕は大阪の開発部から東京に移ってきました。

引っ越してきた日、僕の入るブースの場所を教えてもらい、荷物を運び込もうとドアを開けましたが、何かにひっかかっているのか途中までしかとびらがひらきません。

あれ、とおもって中をのぞくと、このピアノにドアが当たっています。

からだをよこ向きにしてブースに入ってみると...、

部屋の広さ(狭さ)からいうと明らかにピアノが大きすぎる! ドア開かないし...。

一瞬、ぼくはこのピアノを運び出して持って行ってもらおうかと思いました。

でも、ふと思いなおして、この部屋に前にいた人はこのピアノを弾いていろいろ曲を作ってきたのかなー、うーん、これも何かの縁、やっぱり使わせてもらおうと思いそのまま部屋に置いておくことにしました。

そしていまでも、ここにあるというわけです。

さて、ピアノの元の持ち主はだれかというと、あの崎元仁さんです。

ちょうどそのとき、崎元さんは「ベイグラントストーリー」を作り終えたころでした。

このピアノも「ベイグラント...」の曲づくりに使われたのでしょうね。

どうも、水田です。

こしあん or つぶあん なら、つぶあん派です。

 

「ファイナルファンタジーXIのファンイベントをひらくので、FF11の曲を、なま演奏してくれませんか」

という依頼があったのは、2004年のことでした。

もちろん、よろこんで出演させてもらうことにしたのですが、

ぼくはピアノが弾けるわけではありません。

ギターもできません。

出ますと言ったはいいけど、さあどうしよう...

あ、ベースなら少しはできるかも...

ピアノとギターが上手な人とバンドをつくれば、ベースはあまり目立たないからイケルかも。

そうだそうしよう、ということでバンドが結成されました。

初代「スターオニオンズ」です。

さいわいバンドは好評で、そのあと毎年のように出演させてもらい、

かれこれもう5回も演奏しています。

ボーナスで買ったはいいけど、部屋のすみでほこりをかぶりがちだったベース。

そんないきさつで、急に大活躍するようになりました。

 

IMG_1960.jpg突然はじまりました音楽スタッフのブログ。どうぞよろしく。

私、水田は、特にテーマもなく、そのとき思いついたことを書きます。

さて、写真のベースは、かれこれ十数年ほど前に買った、フェンダーのジャズベースです。

何のへんてつもない普通のジャズベですが、これを買ったのにはちょっとしたきっかけがあります。

当時会社には、フレックストリガーボーナスという制度がありまして(一回だけで終わりましたけれど...)

どんな制度だったかといいますと、自己を磨くためのものならどんなものでもいいので

15万円まで会社が買ってくれる!というものです。

旅行に行って見聞を広めてもよし、ビデオ(まだDVDはほとんどなかった)やCDなどをまとめ買いしてもよし、

AV機器などの購入もよし、といった感じで、ギャンブルやおよそ自己研鑽に全く関係ないもの(たとえば洗濯機とか)

以外なら何でもokという制度でした。

それで、ぼくは当時ベースを始めたばかりでしたので、奮発してこのベースを買ったのです。

購入当時はうれしくて、ブースで一人ちまちまと弾いてたりしたのですが、

ベースって一人で弾いてもあまり面白くないんですよね...。

だんだんあまり弾かなくなって、すみっこに置きっぱなしという感じになってしまいました。

ところが数年たったあるとき、急にこのベースが大活躍する時が来たのです。

 

つづく

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