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水田 直志 Naoshi Mizuta

好きなもの: たい焼き(近頃は、皮が薄いのとかいろいろありますが、普通のが好きです)、 コーヒー(淹れるのも含めていいですね)、 iPhone(すかっりはまってしまいました) 写真撮影(オリンパスのe-510を使用中、raw現像もまた楽し) お散歩(遠出からご近所まで)

水田 直志

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祝!「ファイナルファンタジーXI」サービス開始10周年

昨日の岩崎さんのブログに続き、僕も当時のことを思い出して書いてみたいと思います。

いまでこそ、ゲームがネットにつながっているというのは当たり前の話ですが、当時はまだまだ一般的ではなく、僕も"UltimaOnline"というゲームを知識として知っているという程度でした。

ましてや、FFXIのように多人数が同時にネットにつないで同じ世界で遊ぶMMORPGというジャンルのゲームは、まだほとんどの人がどのようなものか理解すらしていないような感じでした。

そんな状況だったので、これから作ろうとするMMORPGというゲームはいったいどんなゲームなのかということを、まずはひととおり体験して理解するために、会社から1台のPCと、そのジャンルで代表的な、ある1本のゲームソフトが渡されました。サウンド代表として僕の部屋にそのPCをおいて、そのゲームをみんなで遊んでみることになったのです。

その場には、同僚の岩崎さん、山崎さん、そして唯一そのゲームの経験者である矢島さんなどが一緒にいたと記憶しています。

ゲームをインストールして、キャラクターを作ってというところまでは、いままでのゲームと変わりありませんでした。

名前やクラス(ジョブ)を決めて、さて、いよいよゲームのフィールドに降り立ちました。ぽつんと立つ自分のキャラクター。

なにか途方もなく広大な、未知の世界に突然連れてこられたようで、何をすればよいのか全く分からず呆然と立ち尽くしている自分。

すると、ふと目の前を自分とよく似たエルフのキャラクターが走り抜けていきました。そのとき、僕の後ろでいろいろ教えてくれていた矢島さんがひと言、

「いまのはPCっすね」

僕:「えっ、PCって?」

矢島さん:「ですから、どこかで誰かが操作しているキャラということです」

それをきいた瞬間の衝撃を今でも覚えています。

見知らぬだれかが、一緒にこの画面の中にいる!?

どういうことだと、周囲をうろうろ歩いてみました。

すると、今駆け抜けていった人だけでなく、他に何人もの人が、会話をしたり、モンスターのようなものと戦っているのが目に入りました。

僕:「これ全部誰かが操作しているキャラなの?」

矢島さん「そうですね。ホラ、あそこではパーティー組んで戦っていますよ」

こ、これは、とんでもないゲームだ...ゲームというか、これはもう世界そのものじゃないか...と感動で胸がいっぱいになりました。

いままでゲームといえば、たとえどんな大作であっても、すべてはあらかじめプログラムされてCDやDVDに焼きこまれて固定されたデータであり、プレーヤーが再生していくそれらは有限であるという限界がありました。(そこには、たしかに美しいグラフィックで描かれたマップや素晴らしいストーリーやがありましたが)

しかし、いま体験したゲームは全く概念からして違う。

会話をすれば、生身の人間と会話することであって、あらかじめ用意されているデータが表示されるのではない。

バトルをすれば、ヒール(ケアル)してくれるのは誰かが実際にそうしてくれてるのであって、けしてプログラムされたものではない。

これを究極のゲームといわずしてなんという!!

それくらいの勢いで、本当に興奮してしまったものです。

その日は、みんなが帰ってしまってからも終電ぎりぎりまで遊んでしまいました。

そして、気がつくとMMORPGの底なしの魅力に取りつかれてしまったのです。

...開発のお話とはちょっと関係のない話題になってしまいましたね。

ただ、それくらいの衝撃が当時はあったということです。


さて、FFXIの音楽をどうしようかとあれこれ考えていたある日、植松さんがひょっこり僕のブースに現れました。

植松:「みずたー、テトラマスターっていうゲームの音楽の仕事があるんだけど、やってもらえるかな~?」

水田:「えっ、植松さん、もう僕FFXIやるだけで本当にいっぱいいっぱいで、なんせ初めてFFやらせてもらえることになって、とてもじゃないけどそんな余裕ありまs」

植松:「えっ、やってくれる!? ありがとう!  じゃ、よろしくー!!」

てなわけで、「テトラマスター」というカードゲームの音楽も同時に担当することになりました。

(ちなみにそのゲームのディレクターは、現在「キングダムハーツ」シリーズのCo.ディレクターとして活躍中の安江さん)

今から考えるとこのゲームを担当してとてもよかったと思います。

というのは、FFXIの音楽は、岩崎さんのシンセ・オペレートとタッグを組んでやることになっていたのですが、まずはこのゲームを先にやることでお互いを知るきっかけとしてよいスタートアップになったのです。(のちに野田さんも合流)

それまで僕は、作った曲をプレイステーションの内蔵音源に載せるところまで自分でやっていたので、このように作曲から先の手順を人任せにしたことはありませんでした。

もちろん岩崎さんの仕上がりに期待はしていましたが、それと同時に、ちゃんと意図したとおりの音に仕上げてもらえるのかという不安も少しはあったと思います。(今では考えられないことですが)

さて、テトラマスターではじめて岩崎さんと仕事をすることになって、まず驚いたのは機材の量!

 ラックにうず高く積み上げられたシンセサイザーとサンプラーの山をみて嬉しくなってしまいました。これらを駆使して曲を仕上げてもらえるのだな、と。

実際作業が始ってみると、本当に楽しかったのを思い出します。

たとえば僕が、こんな感じの笛の音ないですかというと、「ホイきた」とばかり出てくる笛の音色の数がハンパない。

聞いたことのない笛の音を出してくれたり、こんなのはどうでしょう?では、これは?という具合にで、まさに人間検索エンジン。とても頼もしかったです。

また、そんなのどっちでもいいじゃないかというような細かいこだわりでも、いやな顔一つせず修正につきあってくれて、ありがたかったです。

扱う機材にもこだわりがありました。

ケーブルは極太の特注品。

 普通のオーディオケーブルは、先端を機材のINとOUTのどちら側に差し込むかはとくに決まっておらず、どちらでもいいのですが、そのケーブルは違いました。

楽器のOUTに差し込むほうと、録音機材のINに入れるほうとが指定されているのです。

シンセの音色をデジタルデータに変換するADコンバーターという機材も、目玉が飛び出るような高額の機材を使っており、正直、PS2の内蔵音源にするにはもったいないような使い方でした。

ただ、実際の音色もよかったですし、そういう姿勢で曲を仕上げてくれる仲間にこちらも気が引き締まる思いでした。

そうやってテトラマスターができ上がるころには、お互いばっちり信頼関係も築くことができ、来るべきFFXIの曲の仕上げも安心して任せることができるようになっていました。

話はテトラマスターの話題になってしまいましたが、僕の中で当時の制作の様子はこのあたりと切っても切れず、一緒になっているのです。

「ファイナルファンタジーXI」の音楽開発は、このようにして幕を開けました。


さて、お読みいただいた皆様に感謝の気持ちをこめて「テトラマスター」の曲を1曲お届けします。

ここでしか聴くことのできない、未CD化音源です!

(写真は、当時の開発資料。手書きのカレンダーは、締め切り前のぎりぎりの状態、スケジュールで苦労している様子)

 

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「テトラマスター」より

こんにちは、水田です。

今日はちょっとだけ更新。

最近は、スマートフォンのゲームもけっこう勢いがあったりしますよね。

「拡散性ミリオンアーサー」なんかは、App Storeのセールスランキングで1位をとったり、

なかなかの人気です。

かくいう僕も、iOSとアンドロイド対応アプリとしてリリース予定の、

「ガーディアン・クルス」というゲームの音楽を作成しました。

(ティザーサイト)

http://www.square-enix.co.jp/smart/gc/


本格的にオープンしましたらまたお知らせしますね。

 

こんにちは、水田です。

すっかり年末ムードになってきましたね。

早いもので、開催からもう1か月以上たちました、

ファイナルファンタジーXIの音楽をオーケストラで演奏するコンサート、

 「ヴァナ♪コン Anniversary 11.11.11」 

おかげさまで、大好評のうちに公演を終えました。

このコンサートをもう一度家でも楽しめるように、いまDVDが制作されているのですが、いよいよその発売日が決定しました。2012年2月22日発売です。

さて、皆様にDVDをお楽しみいただくまでもう少々時間がありますので、少し写真で当日の雰囲気を思い出していただければと思い、開場前のリハーサル時のものですが公開しますね。


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「ヴァナ♪コン」DVD特設サイトはこちら

 

こんにちは、水田です。

12月15日、「ファイナルファンタジーXIII-2」が発売になりました。

音楽チームも、すてきな楽曲でゲームをよりいっそう盛り上げるべく、いろいろ新たなことに挑戦しました。

あとは皆さんにそれを楽しんでいただけたら、最高です。

また、ご感想などがありましたらTwitterで、#FFXIII2OSTのハッシュタグをつけてつぶやいていただけますと、全部目をとおしておりますので、かならず読みます。 いろんなご意見、お待ちしていますよ!

さて、FFXIII-2をプレイして、その音楽に興味を持っていただけた方のために、現時点での音楽関連の情報を以下にまとめましたので、ご覧になっていただけると、よりいっそうゲームが楽しめると思います。

それでは、ごゆっくりFFXIII-2の世界をお楽しみください。

 

■「ファイナルファンタジーXIII-2 オリジナル・サウンドトラック」公式サイト

トラックリスト、試聴、参加アーティストメッセージなど

 http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/fabula/ff13-2/


■オリジナル・サウンドトラックプロモーションビデオ

http://www.youtube.com/watch?v=np-aiOZdblk


■12月27日(火曜日)午後10時(予定)、Ustream限定特別mix配信予定!

http://www.ustream.tv/channel/square-enix-music-live1


■【電撃PlayStation】『ファイナルファンタジーXIII-2』発売記念! 3人のコンポーザーにロングインタビュー

http://news.dengeki.com/elem/000/000/438/438008/


■「疾走」レコーディングの様子

http://blog.jp.square-enix.com/music/cm_blog/2011/07/finalfantasyxiii-2.html


■サウンドトラック、ブックレット写真撮影の様子

http://blog.jp.square-enix.com/music/cm_blog/2011/10/post_42.html


■「サウンドアンドレコーディングマガジン」に制作の様子が掲載されます。

http://www.rittor-music.co.jp/magazine/sr/


■「ファイナルファンタジーXIII-2 オリジナル・サウンドトラック」全曲ストリーム試聴配信

http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/sqmst/

 

12月20日追記

「FINAL FANTASY XIII-2におけるRMEを使用したサウンドデザイン」

http://www.synthax.jp/user-companies/articles/square-enix.html

 

『FINAL FANTASY XIII-2  Mitsuto Suzuki Balearic Mix』

12月13日にUstreamで配信された音源が、YouTubeでお聴きいただけます!

http://www.youtube.com/watch?v=4AQBNnvarcw

こんにちは、水田です。

 すこしずつ、寒くなってきましたね。

2011年11月11日。

"11"が並ぶこの日、その数字にちなんで、ファイナルファンタジーXIの楽曲を演奏するオーケストラコンサートが開催されます。その名も、「FINAL FANTASY XI ヴァナ♪コン Anniversary11.11.11」

先日の日曜日、この演奏会のリハーサルが行われましたので、少しその様子をレポートしたいと思います。

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まず印象に残ったのは、演奏者さんが多い! ということ。オーケストラなのであたりまえといえばあたりまえのことですが、やはり何十人もの方が楽器を持って集まって、力を合わせて一斉に同じ曲を演奏するという状況は、冷静に考えてみるとすごいことですし、また独特の緊張感もあります。

といっても、本番とは違ってみな服装も普段着ですし、関係者もおおぜい出たり入ったりとちょっとざわついたなか、さっそく演奏が始まります。

僕たちの聴いてる場所は、演奏家さんたちのすぐとなり。会議室によくあるタイプの細長い長机をはさんで向かいの、すぐ手の届くところに第一バイオリンの方々がいらっしゃいます。

こんな場所でオーケストラの演奏を聴く機会はまずありません。普段は、演奏を聴くとしてもレコーディングスタジオの厚いガラスの向こうですから。

さて、音をきいての印象はというと...

「けっこう、繊細」

という感じでしょうか。

というのも、このリハーサルが行われている部屋は、あくまでリハーサル室ということもあって、音を聴きとりやすくするために反響がかなり抑えてあります。そのため、目の前の音がダイレクトに耳に入ってくるのです。オーケストラという単語からイメージするような豊かで広がりのある音色というイメージとはちょっと違っていて、軽く驚きました。なにしろ演奏者さんの目の前ですから、バイオリンの弓が弦にこすれるかすかな音まできこえてくるのです。

もちろん、実際にホールで演奏すれば適度に残響も加わり、リッチで迫力のある音になるのですが、この段階ではそれとはまた違って、「生々しい音」というイメージでした。演奏者さんは、いつもこういう音を聴いているのですね。

ということで、オーケストラの音楽というものは、やはり、ホールで演奏して、それを客席で聴いてはじめて完成するのだなということがわかりました。

また、もう一つ思ったのは、「あまりしつこく練習しない」ということでしょうか。

 たとえば、ここはこういうふうに演奏して下さいといった指示が指揮者からあったとして、必ずしもそれを実際に演奏して確かめるわけではない、といった感じです。こちらできいている身としては、「えっ、確認のため一回くらい弾いてみないの?」と思ってしまいます。しかし、そこはやはり皆さんプロ中のプロ。指示どおり演奏できてあたりまえ。とくに確認が必要な場合以外は、わざわざみんなでおさらいしないということなのでしょう。「はいわかりました」「では次」という感じで、どんどん進んでいきます。あとで聞いた話だと、あまりくり返し演奏しすぎて本番までにテンションを落としてしまわないようにするためということもあるようですね。

というわけで、順調に仕上がった楽曲の数々。

いよいよ今度の金曜日に「かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール」で演奏されます。

チケットは売り切れてしまいましたが、このコンサートは「ニコニコ生放送」でも放映されます。

また、生放送終了後も、11月17日(木)20時00分まではご覧いただけますのでできますので、ぜひ観てくださいね。

当日の舞台裏の様子などは、こちらでつぶやきますよ。@Naoshi_MIZUTA

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