FFXIII-2の曲名を見ていると何曲か同じ曲名で並んでいます。
例えばこんな感じです。
・ネオボーダム (今は通常時Mixと呼びます)
・ネオボーダム Aggressive Mix
片方はAggressive Mixとついていて、ゲーム未プレーでCDだけを聞かれた
方はネオボーダム曲の別アレンジが収録されているのかな?と思われる
かもしれませんがこの2曲、実は密接な関係があるのです。ドーン!
ネオボーダムでフィールドを移動している時は通常時Mixが流れているのですが、
敵がポップした瞬間、曲がシームレスにハードなアレンンジになっている
Aggressive Mixに切り替わり危険だ!という緊張感を増すようになっています。
凄く綺麗に繋がりよく、この2曲を切り替わるようにしたので、
もしゲームをプレーしていて、このことに気づいていない方がいらっしゃったならば
次回プレー時は、敵が出てきてもすぐバトルせずに逃げまわって頂くと
Aggressive Mixも沢山聞いてもらえると思います(笑)
最近のゲーム音楽はユーザーのゲーム状況に合わせて音楽も変化させるというのが
流行っておりますが、作品の長さが固定された映像作品等とはまた違うゲーム音楽
ならではの醍醐味と面白さだと思います。
さて、
先日、鈴木のblogで告知がありましたが、
サウンドチームより矢島・水田・鈴木の公演があります。
FFXIII-2では今日blogに書いた事以外にも色々チャレンジしており沢山面白い
話が飛び出すと思います。
御興味のある方は是非!
●パイオニア プラザ銀座で講演します。
日時:2012年3月31日(土) 15:00~17:00
場所:パイオニア プラザ銀座 B1F視聴室
http://pioneer-ginza.jp/event_report/2012/03/33142av-the-sound-of-final-fantasy-final-fantasy-xiii-2.html
ゲームのオーディオの技術とはどんなものなのか?効果音はどのように作られていくのか?
ゲームのBGMはゲームの為にどのような工夫をしているのか?
FINAL FANTASY XIII-2のサウンドデザインを通して、考え方や創作方法をご紹介します。
スクウェア・エニックスより矢島・水田・鈴木が登壇します。
以上、河盛でした。
先日発売されました「シアトリズム ファイナル ファンタジー」
3/8追加コンテンツとして下記4曲が配信になっております。
FF マトーヤの洞窟 (FMS)
FFIII バトル1 (BMS)
FFXIII アルカキルティ大平原 (FMS)
FF零式 我ら来たれり (BMS)
この4曲、過去にバンドで演奏した事があったり開発に参加してたりで
どれも思い出深い曲ばかりなのですが、
今回はFF零式「我ら来たれり」曲の録音に纏わる話しを
少し書いてみたいと思います。
この曲は皆さんも一度は見たことあるかもの
オーストラリア、シドニー、オペラハウスにて
シドニーシンフォニーの演奏により録音を行いました。
http://www.sydneysymphony.com/
昨年、FF零式コンポーザー、石元君と
真夏の日本から真冬のオーストラリアに行き
1日目 着いた午後から現地スタッフと打ち合わせ
2日目 オーケストラ録音
3日目 コーラス録音、ミックス開始
4日目 ミックス続き、夜の飛行機で帰国
という全く隙のない何か1つでも滞るとアウト
という怒涛のような4日間でした。
演奏中はもちろん張りつめた空気なんですが、
休憩中、演奏家の方達が
「この曲のメロディー凄く憶えやすくて良いね!」
と楽しそうにサンドイッチを食べながらメロディーを口ずさんでいたのが印象的で
緊張とリラックスが丁度良いバランスでブレンドされている現場でした。
(海外のオーケストラレコーディングでは演奏の合間の休憩に演奏家の人達が
食事したりするのも日本のオーケストラレコーディングでは見られない光景です。)
指揮者も事前に譜面を把握してきてくれており録音、
ミックス作業共に「あれ?もう終わり!?」
と思うくらいスムーズに終了しました。
結果、素晴らしい演奏と迫力のあるコーラスが録音出来たと思います。
下記で一部試聴出来るようにしておいたので是非、聞いてみて下さい。
以上、河盛でした。
昨年、ファミ通さんに掲載された石元君のインタビューです。
FF零式、音楽、レコーディングの裏側が更に良く解ります!
http://www.famitsu.com/news/201111/02004915.html
今日は開発中、仮曲名の話です。
普段、楽曲の曲名がつくのはCDのマスタリングという作業が
行われる少し前の段階になります。
開発中はどういった仮曲名が付いているのか?
自分が参加したタイトルの中からいくつか紹介してみます。
bgm01(シンプルにbgmと番号をつけるパターン)
M01(音楽リストのナンバーになってたり曲が出来た順だったり)
Dungeon1(ダンジョン)
Bat1(バトル1の略です)
BossBat(ボスバトルの略です)
Zidane(キャラの名前だったり)
Dali(村の名前だったり)
Something01(どこかで使おうという感じ)
Fanfare、GameOver(これは説明不要ですね)
manbo(マンボー?崎元さんの仮タイトルは謎が多かったですね 笑)
ファイル名は文字数制限、使わない方が良い文字等があるのですが、
短い曲名の中にも各作曲家、個性色々で面白いです。
基本はシンプルにどこで使われるのかを解り易くですが、たまに全くどこで
使うのかが解らないような名前がついたりする事もあります。がこれは
これで面白いです。
例えば
プランナーさん
「もうちょっとマンボーのボリュームあげて下さい。」
自分
「いやもうマンボー限界で上がらないですよ。」
なんて会話を開発末期に真剣にしてたりして少し和んだりもします(笑)
あと面白いのは開発期間中は仮タイトルで曲を呼んでいるのでCDが発売されてから
しばらくは曲名を言われるより仮タイトルを言われた方がすぐにあの曲か!
と思いだせるのもサウンド開発者あるあるかと思います。
今日はシアトリズム ファイナルファンタジー発売記念という事で懐かしい曲、FFIX「独りじゃない」を
試聴できるようにしてみました。
この曲、開発中に植松さんがつけていた仮タイトル名は「Cry」。
僕はこの曲を聞くとFFIX、ハワイ開発の楽しい思い出が蘇ってきて凄く寂しい気持ちになります(笑)
以上、河盛でした。
2/16にシアトリズムファイナルファンタジーが発売されました!!
という事で今回は昔話でも。
ファイナルファンタジーX
「ザナルカンドにて」 ※ページ下で試聴できます。
について書いてみたいと思います。
プレイステーション2はDVD-ROMだったので、ファミコンと違い録音した音楽がそのまま鳴っていると
思われている方も多かったかと思いますが、実は内蔵音源という少ない容量に
音を詰め込む方式で音楽は鳴っています。
(マニアックな人向けに内蔵音源の解説は機会があればまた書いてみようかと)
植松さんからmidiデータを貰ってからプレイステーション2で音楽を鳴らす為に
僕の方で作業をするのですが、この曲では2つの大きなポイントがありました。
1、植松さんのアイディアで植松さんのmidiを譜面にし、
クリックを使わずピアニストさんに弾いてもらったものを演奏データとして録音し、
ゲーム用データに変換して鳴らしました。
サスティーンペダルの情報をどう扱うかという事や、
発音数の問題などもあったのですが、今日は細かい話しはおいておきます。
元々の楽曲の良さプラスアルファで生演奏が加わる事により、
何度聞いてもグッとくる感じになっているかと思います。
2、内蔵音源では音色を少ない容量に収めなければいけないので、
音質を大きく犠牲にしなければいけないのですが、
プレイステーション2になった事により音色に使える容量も増え、
ステレオ波形でピアノの音を鳴らす事ができました。
音楽がステレオで鳴るのなんて現在では当たり前の事ですが、
この頃の内蔵音源という方式では単発の楽器の音はモノラルが多く、
ステレオ波形が使えた事で曲に広がりと深さが加わりました。
この曲のピアノの音はなかなか上手くいかず、何度も音を変更し時間がかかり苦労したのをよく憶えてますが、
ゲーム画面とティーダの台詞、そしてこの曲が流れてきたのを最初に見た時は
感動して苦労なんて吹っ飛んだな~!
なんて懐かしく思いながら僕もシアトリズム ファイナルファンタジーで遊んでいます。
あ!でもクリックを使わなかったのでシアトリズム ファイナルファンタジーで
この曲のテンポデータを作成するのには苦労しました。
まさか12年後に苦労するとは思わなかった(笑)
ちょっと長くて複雑な話しになっちゃったかな。。。
以上、河盛でした。
シアトリズム ファイナルファンタジー公式ページ
http://www.square-enix.co.jp/t_ff/
ファイナルファンタジーXサントラページ
http://bit.ly/wf9XLU