前回の記事で、「マスタリング」とは、「収録曲一曲ごとに音量調整や音質補正をかけ、それらをまとめて一枚のCDとして完成させる作業」という説明をしました。
さて、僕がマスタリングをお願いするとき、いつもここと決めているスタジオがあります。
それは、「オレンジ」というマスタリング専門のスタジオです。
もうだいぶ前のことですが、FINAL FANTASY IX関連のCDをオレンジさんでマスタリングしているのを、たまたま見学させてもらったことがあります。
そのとき、ちょうど"Melodies of Life"という白鳥英美子さんの歌う楽曲を調整していたのですが、そのときの体験は今でも忘れません。
エンジニアの小泉さんがしばらく曲を聴いた後、おもむろにイコライザー機材を調整すると、まるで白鳥さんが目の前で歌い始めたかのようにくっきりと歌声が浮び上がってきたのです。
誤解のないように言いますが、マスタリング前の状態でも、とてもきれいにミックスされていて、そのままでも十分素晴らしい仕上がりでした。だれが聴いても完成形といっていい状態です。
にもかかわらず、小泉さんが調整すると、今までレース越しに見ていたものを、レースを取り払ってじかにそのものを見たかのようにくっきりと各楽器に磨きがかかるのです。
このとき僕は、次回から必ずここでマスタリングをお願いしようと決めました。
いっけん簡単そうにきこえるこの調整作業、僕のように、そこまでのテクニックがないものがまねしようとすると、単純に高音と低音が増幅された、ただの"ドンシャリ"サウンドになってしまいがちなのです。
そこへいくと、小泉さんは迷いなくピンポイントで要所を的確に補正し、一段と良いサウンドに変身させてくれます。
そんなわけで、それ以降、もう何度も小泉さんにはマスタリングをお願いしているのですが、いまだにそのワザを目の当たりにするたびに、感嘆の声をあげてしまいます。
さて、こんなふうに文章で書いてもなかなか伝わりにくいですよね。
そこで今回は特別に、マスタリング前とマスタリング後、両方の状態をおきかせできるようにしましたので、ぜひ聴き比べてみてください。
音が鮮明に前に出てきて、迫力が増しているのがお分かりいただけると思います。
曲は、"FINAL FANTASY XI Original Soundtrack -PLUS-"より、"Melodies Errant"です。
Melodies Errant (マスタリング前)
Melodies Errant (マスタリング後)
こんにちは、水田です。
僕たち音楽スタッフのブログやTwitterでのつぶやきに、ときどき「マスタリング」という単語が出てきますよね。
同じようなスタジオで作業しているイメージから、たまに「レコーディング」と間違われることもあるのですが、「マスタリング」は、それとはまた違った作業なのです。
じゃ、いったい「マスタリング」とは何なのか。ごくかんたんにいいますと、「できあがった数々の曲を持ち寄って、一枚のCDとして完成させるための作業」というふうに言えると思います。
録音とミックスが終わってできあがった曲は、一曲一曲それぞれは完成していても、それを一枚のアルバムに入れるとなると、一曲ごとに音量の差が大きかったり、音質的にもばらつきがあったりと、そのままでは都合が悪いことが多いのです。
それを、マスタリングという工程で、音量のバランスをとり、音質を整え、アルバムの曲順に並べ替えて一枚のCDにまとめるというわけです。
たとえば、今度11月9日に発売される"FINAL FANTASY XI Original Soundtrack -PLUS-"
このアルバムに収録されている曲は、ほとんどがプレイステーション2の内蔵音源を使ってできているのですが、なかに数曲だけ、プロモーション用として一般の音源で作成されている曲があります。
単純に並べてみると、やはりゲーム機から録音したものと一般の音源では差が目立ちます。
そこでマスタリングという作業で、並べて聴いても違和感がないようにするのです。
(つづく)
小さな巨人
もう10年程愛用してるスピーカーがあります。
SONYのSRS-Z-1という口径が3~4センチ位しかない小さなスピーカーですが、
めちゃくちゃ定位感が良くて即買いした一品。
先日ブースの扉を開けて、こいつでモニターしてたら、
ソケンさんが音につられるようにやってきて、
「わっ、いい音!これで鳴らしてるの!?」
と、興奮気味だったのが面白かったです。
「いいでしょ、いいでしょ?」
と言いながらブリブリやってたのですが、
全体のバランスが解りやすいというか、なんというか癖がなくて、
とても自然に音楽が聴けます。
ただサイズ的に低音関係はあまり出ないので、
これだけで最後まで混ぜるというのはありませんが、
DS「SIGMA HARMONICS」やPSP「the 3rd birthday」等の携帯ゲーム機の確認時に、
リファレンスとして大活躍しました。
小さいスピーカーを囲んでおっさん達が「あーだ、こーだ」言ったりする様子は
絵面的に可笑しかった事でしょう。笑
あとメインで使用しているGENELECの音に飽きた時や、
気分を変えたい時に聴くのにちょうど良くて、液晶モニター横にぴったりおさまるのもポイント。
(スピーカーの位置は割とコロコロ変更しますけど、それも小さいから楽って事で)
ただ残念なのが既に生産終了なんですよね。
うーん、壊れたらどうしたものか。。
と、まぁそういう不安は多々ありますが、今日も元気に活躍しています。
ではみなさん、良い週末を!
Mitsuto Suzuki
果物の会社
仕事で初めてMacを使ったのは94年頃、
音を扱う仕事をしている割には比較的遅めで、
しかもかなり必要に迫られて使い始めた記憶がある。
当時勤めていた会社の開発環境が一新されて、
「波形編集」専用機として使い始めたわけだけど、
BGMを作る時はハードのシーケンサーを使って、
内蔵化をMacで行うって今思うとかなり面倒臭い事をやってました。
(それでも、それ以前の開発に比べたら百倍位マシだったけど)
音楽を作る事と直接結びつくのはもう少し後になってからで、
ちょうど東京に上京する事になって、
こっちで知り合ったミュージシャンや知り合いが
ほぼ全員Macで音楽を作っている事実を目の当たりにしても、
僕にとってはシーケンサーは「道具」にしかすぎないし、
「音楽性」自体が変わるものではないと思ってたのですね、
はは^^;
ある時、
「まぁMacは文房具みたいなものだから」
っていう友達の一言が妙にしっくりきて、翌日にはあっさりポチってました。笑
その後、色んな楽しい事やサプライズがあり今に至るわけなのですが。
~~
通勤途中、iPhoneで突然知ったNewsには驚いたけど、
facebookを立ち上げて、iPodで音楽聴いてMacでメール書いて、
あともちろん音楽を作る時も売る時も、
今更ながら生活の一部として自然と付き合ってる事に気付いた、
今週の大きな出来事でした。
ありがとう。
Mitsuto Suzuki
皆さんどんばんわ。
サウンドの祖堅です。
新宿ともなれば、駅前なぞ歩いてれば視界の中に96%の確立でニーハイ様が見受けられるようになった
太陽活動連続極小期樹立中な涼しい昨今
皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて明後日10/5はFinalFantasyXIV、パッチ1.19の配信日でございます。
マジですげえ作業量だった。。。。ほんとゲッソリしたわ。。。
1.18も製作する物量にビビってたけど、
今回はその5倍はあったかな。。。?
Twitterでボソついたけど、1.19で追加した曲振り返ってみたら14曲もあったYO!!!
本日はその14曲+1ジングルを配信前にダイジェスト版というカタチで特別公開しちゃいます!!
明らかにどこで使用される曲なのかマルワカリのモノもあれば
どこで使用されるのか不明なモノまでたくさんありますが、
とりあえずポチっとして聴いてみてクダサイよよよよよよよよろしくオオオオネガイいたします!!
とかいいつつ一番タイヘンだったのはサウンドデザイン作業だったのは内緒だ!!
更にそんな激務最中にCEDECに登壇することになって、
翌日には電脳空間で「気合だトッツァン」呼ばわりされてたのも内緒だ!!!
※そんな気合連呼してなかった気がするけどなあ。。。汗
でも、素直にあのアイコンには笑ったゼ!
FinalFantasyXIVパッチ1.19新規BGMダイジェスト